わけのわからない写真を載せましたが、これは、今私がドはまりしている大河ドラマ「べらぼう」で登場する「朋誠堂喜三二」という人物です(*^^*)
定番の戦国時代や幕末を描いたドラマではなく、江戸中期の物語、しかも主人公がそれほど有名な人ではないので、視聴率はイマイチと聞きましたが、いやいや本当に面白い!これからでもきっと間に合うし、分かりにくい場合はYouTubeの解説動画もたくさんあるので、ぜひぜひ皆様も見てみてください♪
そのドラマの中で、「腎虚」という言葉が出てきました。主人公の仕事仲間である40~50代くらいの男性「朋誠堂喜三二」が、仕事をしたご褒美に遊郭で遊ぶ、という場面で、年のせいでうまくいかず落ち込む…、医師から腎虚と診断されて薬をもらう、という流れでした。お年頃世代の男性の皆様にとっては、他人ごとではない??
中医学では、この場合の男性機能も含めて、もっと広い意味で、「腎虚(じんきょ)」という言葉を使います。ドラマでは、疲れているからゆっくり眠るといいとのことで、腎虚の薬として安眠剤が処方され、本当の腎虚だったらもうしょうがない、とお医者さんは言っていました。あたらずも遠からずといった感じでしょうか…今回は、男子も女子も避けられない「腎虚」について、特に男性機能に焦点を当てて深堀しましょう!いえ、決して面白がっているわけではないですよー(*^-^*)まずは腎虚から♪
腎虚(じんきょ)

「腎虚(じんきょ)」とは、中医学において「腎」の機能が低下した状態を指します。腎は生命力や精気を司るとされており、その機能が衰えると、疲労感、精力減退、頻尿、耳鳴り、骨や歯の弱りなどの症状が現れることがあります。つまり、腎虚は老化と深く関係していると考えられます。
また、古典文学では「腎水」(精液)が不足することで衰弱する状態を「腎虚」と表現することもありました。これが、大河ドラマで使われた「腎虚」の意味に近いかもしれませんね。
中医学における陽痿
中医学では、ドラマの症状のことを「陽痿(ようい)」と呼びます。
- 陽(よう):ここでは「男性の性機能」を指します。
- 痿(い):しおれる、萎縮するという意味。「萎縮して力が入らない状態」を表します。
西洋医学でいうところの「勃起不全(ED: Erectile Dysfunction)」に相当し、「腎虚」だけではなく、臓腑の虚実・気血の不調・経絡の阻滞といった複合的なバランスの乱れと捉えます。
主な病因病機(原因とメカニズム):
病因 | 説明 |
---|---|
腎虚(腎精不足) | 性機能の中枢とされる「腎」が虚すると、精力・性欲が減退。多くの陽痿は腎虚に関連。 |
心脾両虚 | 心と脾の気血が不足すると、精神的疲労・意欲低下が起こる。 |
肝気鬱結 | ストレスや情志の失調で肝の疏泄機能が失調。気滞による血行不良などで勃起障害が起こる。 |
濕熱下注 | 飲食の不摂生・性の過多により、湿熱が下焦(泌尿生殖器)に滞り機能低下。 |
血瘀阻絡 | 血行が悪くなることで陰茎への血流が減少。 |
中医学的ケア方法
1. よく使われる漢方薬
腎虚になると、どちらの機能がより弱まっているかで、冷えるタイプ(腎陽虚)、ほてるタイプ(腎陰虚)に分かれます。また、それ以外の原因もあるので、体質と状態に合った漢方薬を選ぶのが大切です。
証 | 主な漢方処方 | 効果 |
---|---|---|
腎陽虚 | 八味地黄丸、右帰丸 | 腎陽を補い、性機能回復を促す |
腎陰虚 | 六味地黄丸、左帰丸 | 腎陰を補い、虚熱を清す |
心脾両虚 | 帰脾湯 | 気血を補い、心神を安定させる |
肝気鬱結 | 柴胡疏肝散 | 気の流れを調整し、ストレスを解消 |
濕熱下注 | 龍胆瀉肝湯、二妙丸 | 湿熱を清し、下焦の炎症を鎮める |
血瘀阻絡 | 血府逐瘀湯 | 血行を改善し、瘀血を除く |
2. 食養生

推奨食材 | 効果 |
---|---|
羊肉、鹿肉、エビ、にんにく、生姜 | 腎陽を温め、精力を高める |
黒ごま、くるみ、山芋、ナツメ | 腎精・気血を補う |
クコの実(枸杞子)、菟絲子(としし) | 肝腎を補い、目や性機能に良い |
⛔ 避けたいもの:冷たいもの、脂っこいもの、過剰なアルコール、辛味過多
3. 生活養生

- 十分な睡眠をとり、腎精の消耗に気を付ける
- 過度な性行為の抑制(「腎を傷める」とされる)
- ストレス軽減して、肝気鬱結を防ぐ
- 適度な運動をする(腎陽・気血を巡らせる)
まとめ
ドラマの中の喜三二さん、この経験をもとに大ヒット作を飛ばします。「腎虚」も捨てたものではない…かもしれませんが、老化はゆっくりのほうがいいですよね💦
喜三二さんには、まず生活養生をしっかりしてもらうことをお勧めし、寒がりか暑がりかを聞いて腎を補う薬を選び、きっと書くお仕事の方はストレスをたくさん抱えていらっしゃると思うのでの気の流れを巡らせる薬を飲んでいただきましょうか。遊郭遊びはほどほどに…(*^^*)
なんて、勝手なことを妄想しましたが、腎を養うのはスローエイジングのかなめです♪皆様も、今回の養生法をぜひ生活に取り入れて、のんびりゆっくり年を取っていきましょうね~(^^)/
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