年末にかかった新型コロナ感染症。熱が下がった後、ひどい咳と倦怠感が続いておりましたが、ようやく回復してきました。いやー3週間、長かった(>_<)めまいに苦しんでいた息子も、ようやく体調が元に戻ってきたようで、やれやれです💦
コロナ感染症に罹患すると、3か月くらいは免疫が続くそう。したがって我が家は3月ころまではおそらくコロナは心配しなくていいことになりますが、インフルエンザも流行っていることですし、引き続き感染対策をしていきたいと思います。
感染対策といえば、以前「板藍茶」をご紹介しましたが、こちらはウイルスに対する作用が優れているのですが、もう一つ大事なのは大事なのは体を守る力=免疫力。中医学ではこの力を「衛気(えき)」と呼びます。今回は「衛気」について、大特集しちゃいますね~!
衛気(えき)
中医学でいう「気」の一種で、主に皮膚や粘膜に存在する免疫パワーのことです。「衛気」は、活動性が高く、全身をくまなく巡り体表にバリアを張り、邪気の侵入を阻止し病気になる前に防ぎます。汗をコントロールする作用もあります。アトピーや花粉症などアレルギー疾患も、「衛気」と関係が深いとされているので、「衛気」が不足すると、環境適応能力が弱くなって、昼間に汗をだらだらかく、風邪をよくひくいたり長引いたりする、アレルギー症状が悪化する、などの症状が起こります。
また、「衛気」は「温煦(おんく)」と呼ばれる体を温める働きがあり、その働きが低下すると体が冷えてしまいます。体の冷えは病気につながり、症状が治りにくくなることにもつながります。
「衛気」は老化や、寝不足、食生活の乱れ、運動不足、冷え、ストレスなどにより不足していきます。衛気が不足している状態を「衛気虚(えききょ)」と言います
衛気虚度チェック
□前に比べて寒がりになった
□厚着をしていないのに汗をかくようになった
□体温がもともと低い方だ
□冷房が苦手で冷え症気味
□年中風邪を引く
□のどが弱くて炎症をおこしやすい
□鼻が年中ぐずぐずしている
一つでもチェックが付いたら「衛気不足」の可能性があります。今すぐ「衛気」を強化するための対策をとっていきましょう~まずは生活養生!
「衛気」を高める養生法
おすすめの食材は
・もち米、長いも、大和芋など
・にんじん、ピーマン、パプリカ、かぼちゃなどの緑黄色野菜
・しいたけ、マッシュルーム、えのき、しめじなどのきのこ類
・しょうが、玉ねぎ、ねぎ、みょうがなどの辛味野菜
・オレンジ、みかん、りんご、いちごなどの果物
・かつお、鶏肉、豚肉、卵
などです。その他、適度の運動や、 気温に合わせて衣服を調節することもお薦めします!
避けたいことは
・冷たいものの摂りすぎ、極端な薄着など、体を冷やす生活習慣
・喫煙
・暴飲、暴食、偏食、少食など食生活の乱れ
・遅寝、徹夜、過労
・ストレスや運動不足
などです。体を冷やすことはダイレクトに「衛気」を弱めますし、食生活の乱れや過労などは「気」そのものを消耗します。のんびりエイジングでいつもお話ししていることばかりですね(*^-^*)
さてお次は、「衛気」を高めるおススメの生薬です。
黄耆(オウギ)
マメ科キバナオウギの根を乾燥させたもので、衛気不足を解消し、本来ある免疫パワーを回復してくれる生薬の代表です。中国では、「気」を補強し元気を取り戻すための「補気薬」として、朝鮮人参とともに重宝されてきました。体の奥で作用する朝鮮人参に対し、黄耆は、肌を引き締め、粘膜を強化することによって、病気が身体に入ってくるのを予防する働きがあります。
黄耆の作用
- 免疫力が最良の状態で働くようコントロールする作用
- 冠動脈や末梢血管を拡げ、高めの血圧を安定させる
- 老化による各機能の低下を食い止める働き
- 皮膚や粘膜の損傷を修復し、肌の成長を促す
- 環境への適応力を強める(ストレスに対する抵抗力)
玉屏風散 (ぎょくへいふうさん)
黄耆を主な生薬として配合し、「衛気」の働きを強めてくれる代表的な漢方薬です。「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」という名前でも販売されています。
「玉屏風散」のその他の構成生薬
- 白朮(ビャクジュツ)
キク科オオバナオケラの根茎を乾燥させたもの。胃腸を強化してエネルギー補充を促進します。
- 防風 (ボウフウ)
セリ科ボウフウの根および根茎を乾燥させたもので、風邪(ふうじゃ)の侵入を防ぎ、黄耆の作用を高めます。
まとめ
この冬は、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が起こっていて、今までにない状況ですね。しっかりと「衛気」を高めて、コロナにもインフルエンザにも、そして花粉症にも負けない体づくりをして、行動制限のない生活を楽しんでいきたいです。皆様も、生活養生に加えて黄耆を上手に取り入れてみてくださいね~(^^)/