去年の秋にひざを痛めたのがきっかけで、外反母趾を治そうと思い立ち、整形外科でインソールを作ってもらいました。出来上がってから2か月、今日は、定期検診でインソールを付けたままレントゲンを撮ってもらいました。インソールは毎日、それこそ仕事中も家でも装着していますが、見た目や足の具合は何も変わらず💦でも、レントゲンでは、足の変形度が少し改善しているとのことで、プチハッピーです(^^♪もちろんインソール装着した写真ですので、良くなった!というわけではありません。でも、変形を改善した状態を続けることが、外反母趾の進行を抑え、少しずつ良くなるそうですので、これを信じて、また毎日頑張ります!
さて、先日患者さんから関節痛の相談を受けました。毎年冬に、下半身にしびれや痛みが出る。いつもは数日で治っているのに、今年は2か月も続いていてつらいとのこと💦💦西洋薬が副作用で使えないこの患者様、今回は「関節痛」について、中医学的な対応を考えてみます。
痺症(ひしょう)
中医学では関節痛のことを「痺症(ひしょう)」といいます。痺症には主に「行痺(こうひ)」「痛痺(つうひ)」「着痺(ちゃくひ)」「熱痺(ねつひ)」という4種類があります。
風痺(ふうひ)
風邪によって発症します。痛みが移動しやすく、上半身の痛みが多いです。症状としては軽いものが多く、他の痺症と比べて治癒率が高いです。筋肉の緊張による肩こりなど急性のものを指します。
痛痺(つうひ)
痛痺の特徴は関節の痛みが固定されていて、寒さによって悪化します。主に寒邪(かんじゃ)の侵入による経絡の流れの阻害、栄養(気血)の循環不良、関節部の脈絡の閉塞によるものです。寒邪を取り除き、脈絡を疎通、風邪や湿邪を追い出すことで、痺れを取り除き、痛みをやわらげます。
着痺(ちゃくひ)
着痺は強い湿気により関節が重く、痛みや腫れが生じます。しびれたり、関節の動きが悪くなり、痛みを感じます。水分が関節内に溜まるため、関節が腫れます。水分を排泄させ湿邪を取り除くことで、脈絡の疎通により痛みを緩和します。
熱痺(ねつひ)
熱痺は風熱の邪が侵入し、関節に発赤、腫れ、熱および痛みを引き起こします。これは移動性の場合もあり、局部の紅斑や皮下結節も現れたりします。治療方針は熱邪(ねつじゃ)の除去で、脈絡を疎通し、痺れや痛みをやわらげます。
考察
今回の患者様は、まずかかりつけ医から「牛車腎気丸」を処方され、1か月服用した。改善しないので、近くの漢方薬局で相談したら、「苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)」を2週間分、さらに「独活寄生湯(どっかつきせいとう)」を処方され、2週間飲んだとのことでした。
- 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
腎精不足を補い、潤いをあたえる「六味丸」に、aたためる力の強い桂枝(けいし)・附子(ぶし)、薬効を下に引っ張る力のつよい牛膝と利水作用のある車前子が入る漢方薬です。膝痛や前立腺肥大など、下半身の症状に用いられます。
- 苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)
水毒を除く茯苓、白朮、緩和する甘草、中・下焦を温める乾姜がはいっており、「腰が水に浸かっている様に冷えて重い」という症状に使われる漢方薬です。冷えを自覚していなくても、腰部痛や生理痛が酷い場合にも使われます。
- 独活寄生湯(どっかつきせいとう)
肝と腎の機能が低下した状態に、「風」「寒」「湿」の邪が侵入して起こる痛みに効果があります。筋力の低下があり、冷えや血行不良に伴って痛みやしびれが現れる場合に用います。高齢者や虚弱者の腰痛や膝痛、また、激しいスポーツで腰痛を起こす一時的な虚証にもよいです。
使われた薬から、寒邪や湿邪、肝腎不足などが原因と考えられたのだなと思います。特に寒がりではないとお話でしたが、私も、冬に悪化するので、冷えからの血行不良が大きいのではないか、と思います。痛みが長引いているとのことなので、疎経活血湯(そけいかっけつとう)に変更、もしくは田七人参の併用はどうかなと思いました。
- 疎経活血湯(そけいかっけつとう)
組織に溜まった余分な水を排泄したり、筋肉や腱などの部分の瘀血をとったりすることにより、経絡の気血の流れを回復させます。補血薬である四物湯をベースに、瘀血を改善する、湿を取る、そして痛み止めと、多くの生薬が入っています。もともとは痛風に対する漢方薬です。
・田七人参
田七人参田七人参とはウコギ科の多年草で、三七人参(さんしちにんじん)とも言います。「血液循環を良くし、痛みを止め、内蔵の出血を止める」として古くから使われている薬です。
まとめ
患者様には、独活寄生湯は、効果を感じるのに少し時間がかかるので、もうしばらく継続するようお勧めしました。次の受診の時に痛みが改善していなければ、疎経活血湯を医師に提案してみようと思います。田七人参はツムラにはないのでお勧めしにくいですが、漢方薬局で探してみてとお伝えしてみます。痛みは、生活においていろいろ大変になるのももちろんですが、気分も落ち込んでしまいますよね。皆様も、肝腎不足に気を付けて、痛みには早めに対処しましょうね(^^)/