【整形外科×漢方】血流改善が大事♪

のんびり日記

先日、整形外科領域で使う漢方薬の勉強会に行ってきました。勉強会のお手伝いをしているお友達から、会報に載せる感想文を依頼されたこともあり、3時間熱心に聞きましたが、「正直、骨折や腰痛に漢方薬は力不足なんじゃね??」という私の思い込みが見事に打ち砕かれた、とても面白いお話でした🌝しかし内容が盛りだくさん過ぎて、とぼけた頭にはアップアップです(^^;感想文を書くためにも、きちんと復習しなきゃ💦ということで、今回は勉強会の内容をまとめてみようと思います~♪

🍀整形外科領域における漢方のメリット

整形外科領域での治療、特に痛み、しびれ、倦怠感、筋肉のこわばりに対しては、西洋薬が使われることがほとんどです。ただ、「治るまでが遅い」「薬が合わない」といった悩みが多くあります。そんな中で、今回の講義では、漢方薬を「血流を整える薬」として活用し、血流障害を改善し、回復を促す治療法について学びました。

血流障害の改善がポイント

以下のような患者さんは血流が悪く、治癒が遅れやすい傾向があります:

  • 糖尿病
  • メタボリック症候群
  • 胃腸虚弱
  • 膠原病
  • 動脈硬化

漢方ではこうした血行不良にアプローチし、治りにくい人が治りやすくなることを目指します。

👉 痛みそのものより、ADL改善に効果

漢方薬は「ピタッと痛みを止める」ものではなく、過剰な痛みを抑えて必要な感覚は残す
そのため、動けるようになる・日常生活が楽になるといった改善が先に見られます。


🍀 テリボンの副作用への対応

整形外科に通う多くの高齢者の方は、骨粗しょう症を患っており、その治療として今もっとも使われているのが、テリボンという注射薬です。骨を作る細胞(骨芽細胞)の機能を活性化し骨をつくる過程である骨形成を促進させることで骨粗しょう症による骨折などの危険性を低下させる薬なのですが、消化器系の副作用(特に悪心)が最も一般的で、倦怠感嘔吐もよくあります。その対応として、漢方薬が使われます。

嘔気・食欲不振 → 【小半夏加茯苓湯】

  • つわりに使われる薬。みぞおちより上の不快感に。
  • テリボン当日の朝 or 来院時に1包、帰宅後追加も可。
  • 即効性あり。軽い吐き気や胸部の違和感に。

もともと胃腸が弱い or 西洋薬に敏感な方は追加して → 【六君子湯】

  • 胃の動きを良くし、食べ物がスムーズに流れるように。
  • すぐに満腹になる、少しずつしか食べられない人向け。
  • 1日3回、継続服用がおすすめ。

倦怠感+食欲不振+気分の落ち込みがある方は六君子湯に変えて → 【補中益気湯】

  • 疲れやすく、ただ横になっていたい人に。
  • 声が小さい・元気がない・食欲もない人を内側から元気にする。

🍀よく使う漢方処方と使い分け早見表(運動器編)

漢方薬主な適応ポイント
芍薬甘草湯筋肉のけいれん急に来る痛みに即効性あり
麻黄(含む方剤)炎症+熱感+動かせない越婢加朮湯・葛根湯など
附子(含む方剤)拘縮+冷え+硬さ桂枝加朮附湯・八味地黄丸など
越婢加朮湯熱+腫れ+水腫蜂窩織炎・帯状疱疹などに
桂枝加朮附湯冷え+関節拘縮虚弱・胃弱な人に
通導散打ち身(表層)軽い外傷に即効性あり
桂枝茯苓丸打撲(中間層・静脈)血流うっ滞、皮下血腫に
治打撲一方骨折・骨挫傷(深層)骨膜損傷の第一選択薬
麻杏薏甘湯年配者の筋肉痛効きにくいことも多い
葛根湯肩周囲の筋痛・牽引痛「腕の置き所がない」夜間痛に
四物湯血管の再生・修復慢性疾患+血虚に
薏苡仁湯やせ型+腱の痛みばね指・膝のこわばりに
疎経活血湯慢性の冷え+痛み「お風呂で楽になる」タイプ

🍀 栄養との併用がカギ!ビタミンDとタンパク質の重要性

骨粗しょう症対策は、ずばり老化防止です。骨が減ると、頭がい骨も痩せて、見かけが老化する原因になります。そのためにも、不足しがちなビタミンDとタンパク質を意識して摂ることをお勧めします。

  • ビタミンD:毎日2000単位(50μg)以上を目安にサプリで補充
  • タンパク質:筋骨格の修復・免疫機能・創傷治癒に不可欠

「血流×栄養×補腎薬」がカギ!


🧓 高齢者におすすめの補腎薬ベスト3

漢方薬タイプ適応
八味地黄丸ロコモ下半身の衰え、脊柱管狭窄
疎経活血湯血行不良「お風呂で楽になる」人
人参養栄湯フレイル食が細くなった、元気が出ない

まとめ

先生のお話を聞いていて、素晴らしいなと思ったところはたくさんあったのですが、何よりも難しい漢方薬の用語、例えば五臓六腑や気血水などを全く使わずに、要点をしっかりとらえてお話されているところが、苦手な方でも取り組みやすいと思いました。私も、患者様に説明する際、このような言い回しができたらなと思いますが、なかなか先が長そうです。
整形領域で、これほど漢方薬を使用されている先生はなかなかいないでしょうが、西洋薬でなかなか効果が上がらない方に、血流をよくするアドバイスならできるかも。そして、スローエイジングのために、血流と補腎がキモという考え方がやっぱり正しいことを再認識できました(*^^*)
整形外科だからこその漢方の視点、こ今後に生かしたいと思いまーす!


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