ゴルフの先生と副鼻腔炎

先日、ゴルフのレッスンに行った時のこと。いつもパワー全開の元気な先生が、ちょっと体調悪そうなご様子。レッスン後、先生から、また副鼻腔炎になりかけているので、抗生剤を飲みたいが、なかなか受診できない。ちょいと薬をくれないかと、冗談半分にお話がありました。さすがに、抗生剤をお渡しはできないですが、まだ副鼻腔炎のなりかけ、とのことなので、漢方薬で対応できるかも!今回は、つらい辛い副鼻腔炎に効く漢方薬を特集します~!

副鼻腔炎

の中は「鼻腔」と「副鼻腔」とで構成されています。「鼻腔」とは、いわゆる鼻の穴から咽頭(いんとう)に至るまでの腔のこと、「副鼻腔」は、頬、顔、目のまわりの骨の空洞部分のことで、顔の左右にそれぞれ4個ずつ、合計8個あり、小さな穴で鼻腔とつながっています。副鼻腔の表面には薄い粘膜があり、粘液を出しています。さらに、線毛という小さな毛がたくさん生えていて、粘液を鼻腔のほうへ押し出す役割を果たしています。
副鼻腔炎は、蓄膿症(ちくのうしょう)とも呼ばれ、文字通り、副鼻腔に膿(うみ)がたまることが原因で、鼻がつまったり、嫌なニオイがしたりという症状が起こる病気です。

副鼻腔炎の原因

まず風邪などのウィルスや 細菌の感染によって鼻腔に炎症が起ります。副鼻腔は鼻腔とつながっているので、副鼻腔にも炎症が及びます。この状態が急性の副鼻腔炎です。副鼻腔粘膜の炎症が長引くと、膿を排出する能力を持った粘膜の働きが悪くなり、粘膜そのものが腫れ上がって鼻腔との交通路をふさいでしまい、さらに炎症が治りにくくなるという悪循環におちいります。この状態が慢性副鼻腔炎です。
ハウスダストや花粉のアレルギーや、喘息、鼻骨の構造異常などが、慢性化する原因となります。

副鼻腔炎の症状

  • ドロっとした黄色い鼻水

青っぱなのようなうみの混じった鼻汁がみられます。花粉症の時のさらさらした鼻水とは明らかに違うため、見分けやすいです。

  • 後鼻漏(こうびろう)

鼻汁がノドの方に垂れて、ネバネバするという症状です。声が上手に出せなかったり、咳が出て夜眠れなる場合があります。

  • 鼻づまり

鼻腔や副鼻腔の粘膜が腫れたり、ポリープになったりすると、空気の通る隙間が狭くなり鼻づまりが起こります。

  • 頭痛・顔面痛

副鼻腔内に膿(うみ)がたまり、顔を圧迫することで起こります。ほっぺたや両眼の間の痛み、額などが痛みます。虫歯ではないのに歯が痛くなる場合もあります。

  • 嫌なにおいがする・嗅覚障害

鼻汁が臭く感じることがあります。また食べ物のニオイが分からない、さらには味がしないといったことも感じることがあります。匂いを感じる嗅裂部の粘膜が腫れたり、炎症が長引いたりすることにより起こります。

副鼻腔炎の治療

菌の繁殖を抑えるため、マクロライド系あるいはペニシリン系の抗菌薬を使います。副鼻腔に溜まった膿を取り除き炎症を抑えるための薬も使います。
耳鼻科では、膿(うみ)を吸引したり、鼻の中に薬を吹きつける処置が行われることが多いです。また、薬を、霧状にして口と鼻から吸入するネプライザー治療もよく行われます。症状が重い、または、長引く場合には手術も行われることがあります。

中医学から見た副鼻腔炎

中医学では,副鼻腔炎は鼻淵・脳漏、または脳滲と呼ばれます。
副鼻腔炎は、4つのタイプがあります。

  • 肺経風熱

細菌やウイルスなど、風熱の邪気が肺に侵入すると、肺の働きが弱まり、鼻詰まりや頭痛などの症状があらわれる状態です。肺に侵入した熱を冷まし、鼻詰まりなどの症状を改善する「辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)」ツムラ104が使われます。小林製薬の「チクナイン」ですね~☺鼻詰まりがひどい場合は、「葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)ツムラ2、黄色い膿がひどい場合は「麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)」ツムラ55を合わせるといいです。

  • 胆腑鬱熱

ストレスなど、情緒の変動により、肝胆の気の流れを調整する機能が失調すると、気が滞ることで熱が発生します。肝の熱は、肺を傷つけると言われており、黄色く粘りのある鼻汁があらわれます。「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」ツムラ50が使われます。より熱を冷ましたい場合は「柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)」ツムラ80が使われます。

  • 脾胃湿熱

飲食の不摂生などにより脾胃(胃腸)に湿熱が停滞すると、脾胃の働きが弱まります。脾胃に停滞していた湿熱が胃の経絡(鼻の側を通る)にそって上行すると、鼻腔が塞がれ、黄色くて濃い鼻水、悪臭のある鼻汁があらわれる状態です。湿を取り除き、熱をを抑える「茵陳五苓散(いんちんごれいさん)」ツムラ117が使われます。

  • 脾肺気虚

脾の働きが弱まることで気や血が充分に作られないと、肺気も不足するために体表を防衛する力(衛気)が弱くなります。その結果、邪気が次々に侵入して肺を犯し、咳、くしゃみ、鼻詰まり、鼻汁などの症状があらわれます。脾の働きを良くする「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」ツムラ41と、サラサラの鼻水を止める「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」ツムラ19を合わせて使います。

副鼻腔炎の予防

鼻には、吸い込んだ空気と一緒に入ってきた異物をキャッチし、鼻水と一緒に排出するという機能があります。しかし、偏った食事で栄養が不足したり、不規則な生活で疲れやストレスがたまっていると、体の免疫力が落ち、雑菌などの異物が排出されずに、鼻の内部にとどまってしまいます。副鼻腔炎の予防のためには、普段からバランスのとれた食事や、ストレスをためない生活、適度な運動で、健康な体づくりを心がけましょう。脾胃をいたわるため、消化の良い食事や腹八分目も大切です。また、マスクでウイルスや花粉の侵入を防ぐことも大事です。

まとめ

最初にお話ししたゴルフの先生、体調が悪化すると副鼻腔炎を患うとのこと。まずは、おかしいと思ったら辛夷清肺湯、その後は症状に合わせて、他の薬を追加、変更していくと良いかもなと思いました。寒い中1日中の立ち仕事、そして私のようなややこしい生徒さんに囲まれてストレスフルの状態と思います(先生、いつもごめんね^^;)お酒も大好きとのことで、きっと脾胃にも負担がかかってきていると思います。どうぞ、身体には十分気を付けて、私の「白ティーからの100切り」という壮大な目標に、末永くお付き合いしてくださいね~(^^)/

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