以前から気になっていた目のもやもや感がなかなか治らなくて、先日ようやく眼科に行ってきました。診断は、やはり飛蚊症とのこと。網膜裂孔や網膜剥離といった怖い病気でなかったことは安心しました^^
そして、眼科受診が10年ぶりということで、いろいろ検査を受けたら、老眼、白内障は年齢相応に進んでいる、20年ほど前にレーシック手術を受けて近視がよくなっていましたが、今回視力がかなり低下していました。ただ、それが功を奏して?近くが見えるので老眼が気にならない、とまあなんだか、うれしいような嬉しくないような、微妙な説明です…確実なのは、目の老化が進んでいること。ひしひし忍び寄る老いを実感してしまいました(´;ω;`)
そして、もう一つ、ドライアイがあるとのことで、点眼薬が処方されました。以前からごろごろ感が気になっていたので、やっぱりね、という感じなのですが、これも老化の一種。今日はそのドライアイに注目。西洋的、中医学的に考えてみることにしまーす^^
ドライアイ
ドライアイは「乾燥性角結膜炎」ともいいます。
涙は、目の表面で「涙液層」という層を形成しています。「涙液層」は「油層(ゆそう)」と「液層(えきそう)」の2つの層からできていて、「粘膜上皮細胞」にくっついています。「油層」は油の層で、涙の蒸発を防ぐ働きがあります。涙の分泌が少なくなったり、油の分泌が悪かったり、粘膜上皮の状態が悪くなったりすると、この「涙液層」が不安定になり形が崩れてしまいます。これが「ドライアイ」の状態です。
ドライアイの原因
- 加齢
- 夜更かしや睡眠不足
- ストレス
- コンタクトレンズの使用
- エアコンや扇風機の風、空気の乾燥
- スマートフォンやパソコンの長時間使用などによる瞬きの回数の低下
- 涙の表面の油分を分泌する孔がつまって油分が不足し、涙が蒸発しやすくなる
- シェーグレン症候群
ドライアイは、放っておくと不快感が持続し、肩こりや頭痛、気分の落ち込みなど、様々な症状につながります。また、重篤な病気が隠れている場合があるので、症状がひどい時は眼科医を受診しましょう。
ドライアイの症状
- 目が疲れる
- 目がゴロゴロする
- 目が乾いた感じがする
- 目がヒリヒリ痛い、赤い
- かすんで見えたり、何となく見づらいことがある
- 最近少し視力が低下したように感じる
西洋学的治療
- ヒアルロン酸ナトリウム(ヒアレイン)
水を引きつける保水作用があり、涙の水分を目の表面に保ちます。私が処方されたのはこれです。 - ジクアホソルナトリウム(ジクアス)
眼の表面の粘膜(結膜)から涙の層に必要な水分やムチンを分泌させる働きがあります。これによって涙の層が安定し、ドライアイの症状が改善します。 - レバミピド(ムコスタ)
もともとは胃の粘膜を保護するための薬で、粘膜からのムチンの分泌を増やすだけでなく、粘膜そのものを修復する効果があります。涙液層が安定し、摩擦も減るため、眼の乾燥やゴロゴロ感といった自覚症状が改善されます。苦いです(>_<)
中医学から見たドライアイ
中医学では、目を養っている臓器は「肝」で、「肝」を支えている臓器が「腎」と考えます。涙は肝と深い関係にある津液(しんえき)と考えます。主に肝の血(けつ)や津液を補い、また、腎を補うことにより、ドライアイの治療をします。
ドライアイの主なタイプ
- 肝血不足(かんけつふそく)
血や栄養(肝血)が不足し、目をうまく栄養できないことにより、涙の質が低下し、目の表面が滑らかでなくなり凸凹していると考えます。ごろごろ感が強い場合が多いです。目のかすみ、まぶたがピクピクする、などの症状もみられます。
「四物湯(しもつとう)」ツムラ71、「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」ツムラ48など肝血を補う漢方薬が使われます。
- 腎精不足(じんせいふそく)
腎は、生きるために必要なエネルギーや栄養の基本物質である精(せい)を貯蔵します。精は「髄(ずい)」を生むと考えられていて、脳は「髄の海」と言われていて、精が不足すると、髄海が空虚になり目の症状が現れやすくなります。加齢や過労、不規則な生活、大病や性生活の不摂生などが原因です。
腎精不足は、以前更年期シリーズでお伝えした通り、「腎陰虚」と「腎陽虚」に分かれます
腎陰不足の場合、「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」、熱症状が強い場合は、「六味丸(ろくみがん)」ツムラに「加味逍遙散(かみしょうようさん)」ツムラ24を合わせるのがよいです。
腎陽不足の場合、「八味地黄丸(はちみじおうがん)」ツムラ7が使われます。
- 肝火旺盛(かんかおうせい)
肝の疏泄機能が、ストレスなどの影響によりスムーズに働かなくなると、肝鬱気滞(かんうつきたい)となってそれが熱邪を生みます。熱邪によって涙を蒸発し、ドライアイとなります。精神的なストレスや感情の起伏などで悪化しやすいです。耳鳴り、のぼせ、頭痛、怒りっぽい、興奮しやすい、などのしょうじょうがあります。肝気の鬱結を和らげて肝気の流れをスムーズにし、肝火を鎮める「竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)」ツムラ76などが使われます。
生活養生
- 意識してまばたきする
- 加湿器などを上手に使い、乾燥に注意する
- しっかり睡眠をとり、PCやスマホの長時間使用を避ける
- 点眼薬を上手に使う
- 目を温め、血流を良くする。
目の疲れに有名なサプリとしては、ビタミンB類とブルーベリーやルテイン、アスタキサンチンなどがありますが、薬膳的におススメの食べ物は以下の通りです。
- 明目の作用がある食材
クコの実、にんじん、春菊、苦瓜、いわし、昆布、レバー、緑茶、菊花など - 血を補う食材
黒と赤の食べ物です。にんじん、黒きくらげ、黒豆、黒ゴマ、豚肉、牡蠣、ナツメなど - 体に潤いをあたえる食材
白の食べ物です。大豆製品・緑豆・レンコン・梨など
まとめ
ドライアイは命にかかわることがないので放置されがちですが、日常生活で困ることも多いですよね。加齢からくる症状はしょうがないけど、できるだけ目の負担は減らしたい!毎日の養生大切ですね~皆様も、目の健康に気を付けて、西洋薬、漢方薬を上手に使っていきましょうね(^^)/