ひんやり肌寒い雨の後は、夏のような暑さがやってきたりと、気温差の大きい日々が続いていますね。先週久しぶりに弾丸帰省したのですが、やや疲れぎみの体にこの寒暖差は堪えます…💦早速肩こりが悪化、やや眠りの浅い日が続いたこともあって、頭痛もしはじめて…50代は、なかなかリカバリーが効かないなと、あらためて思い知ります。
体調不良が続くと、気持ちまで滅入ってきますね。息子の就職騒動がひと段落して、心にぽっかり穴が開いたような、そんな気分も重なって、なんとなくやる気が起きなかったり、気持ちが沈んだり。これが「五月病」というものなんでしょうか。こんな時こそ、中医学の力を借りて、何とかコントロールしていきたいなと思います。今回は、五月病について、中医学的ケアを中心にお伝えしたいと思います。
五月病
五月病とは、5月の連休後に「やる気がでない」「疲れがずっと抜けない」など、なんとなく感じる心身の不調のことをいいます。五月病は医学的な病名ではありませんが、ひどくなると会社や学校に行けなくなったり、うつ病になったりすることもあるので、不調がひどくなる前に対処することが大切です。
五月病になる原因
五月病はストレスが原因で起こると考えられています。春は、入学や就職、または転勤などで、生活環境が変わることも多いです。こうした環境の変化はストレスになり、最初のうちは気を張っているため、特に何も感じないことも多いのですが、5月の連休でほっとして気がゆるむと、心や体に影響が出てしまいます。
五月病の症状
- 家族についイライラしてしまう
- 漠然と不安を感じる、動悸がする
- 疲れがとれない、食欲がない
- 寝つきが悪い
- 頭痛や肩こりがひどい
- やる気がでない、仕事や家事でケアレスミスが多い
- 家に引きこもりがちになったり、会社に行きたくないと感じる
やばい、私はいくつも当てはまってしまいました。皆様はどうでしたか?
ちなみに、五月病は病名としては「適応障害」、もしくは「うつ病」となります。
「適応障害」とは、新しい環境に適応できないことがストレスになり、心身に影響が現れ、生活に支障が出ている状態です。
「うつ病」とは、脳の機能低下により心身に影響が出て、身体症状や精神症状が出ている状態です。
環境の変化によるストレスが蓄積したことにより、脳機能が低下して、結果的にうつ病と診断される場合もあるので、たかが五月病と軽く見るのは禁物です。
五月病になりやすい人の特徴
- 義務感や正義感が強く、手を抜けない
- 完璧主義で、ミスや失敗を許せない
- 仕事熱心で、プライベートを犠牲にすることに抵抗がない
- 周囲を気遣うあまり、自分を雑に扱う
要は、自分を適度に甘やかして上手にストレスを解消するようにすればよいですね(^^)/
中医学的に見た五月病
五月病の症状は、中医学では「肝気鬱結(かんきうっけつ)」と考えます。「肝」は血液を貯蔵する働きと精神を支配する働きを持っています。「気」は人間の体の中を流れるエネルギーです。肝が、ストレスなどの精神的ダメージを受けると、気の巡りが悪く滞った状態=「肝気鬱結」になります。その状態が続くと、脾胃の運化機能を低下させ、痰湿(余分な水分)を生じ、胸の閉塞感やつかえが表れることがあります。また、脾気が失調し、気血不足が起こりやすくなるため、心や肝に影響が及び、精神的な症状が悪化します。
五月病の漢方薬
肝気鬱血には、「加味逍遙散(かみしょうようさん)」ツムラ24がよく使われます。滞った気を巡らせ、不足した血も補います。清熱作用があるので、イライラの症状にも効果があります。
胸のつかえには、「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」ツムラ16が使われます。半夏は化痰作用と言って、痰の詰まりを取りますが、体を乾燥する方向にもっていくため、長期に使用しないほうが良いです。
また、肝気鬱血が長期になって不眠など精神症状がつらい場合は、気血を補い精神を安定させる「帰脾湯(きひとう)」ツムラがよいです。
五月病を改善するケア
五月病の改善には、日常のストレスをこまめに解消し、気持ちをリラックスさせて、気の巡りをスムーズに保つことを心がけましょう。また、気血が不足している人は、胃腸を元気にしてしっかり栄養を取ることも大切です。
まとめ
大きな台風がやってきていると報道されています。今の季節は気温の寒暖差とともに、こういった気圧の変動も大きく、その変化に対応しようと自律神経が頑張りすぎてしまう、すなわち「肝」に負荷がかかりやすいといえます。その上環境変化等でストレスがかかると、「肝」にとっては、往復ビンタ級の季節かもしれませんね💦💦ストレス解消に努めて、寒暖差にきちんと対応した服装を心がける。もちろん睡眠やバランスの取れた食事はなにより基本です。酸っぱいものや、柑橘系の香りは気の巡りを助けるので、おすすめです♪さて今日は、柑橘系のバスオイルを入れて、ゆったり湯船でリラックスするとしましょうか。大好きなことで、少しずつ気持ちをリフレッシュさせて、のんびり五月病が過ぎ去るのを待つようにします。皆様も、「肝」の負荷に気を付けて、この時期お過ごしくださいね~(^^)/