乾燥の季節は咳の季節

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皆様~秋の連休はいかがお過ごしになられましたか?
私はたまたま5連休になったので、帰省して父母と一緒にのんびり過ごしました。買い物に行ったり、庭の木を切ったり、畑で苗を植えたり。なんてことないことだけど、両親が今のところまあまあ元気で過ごしてくれていることに感謝しつつ、幸せな時間だなあとしみじみ…できるだけこの幸せな時間が長く続きますように。そう願いながら、こちらに戻ってきました。

そして帰ってきたら…なんだかのどがいがいがする。そして、痰が出ない乾いた咳が出る(>_<)やばい!風邪の引きはじめだ…特に忙しく過ごしたわけではないけれど、やっぱり疲れが出たのかな~^^;
風邪は4種類ありますよ~」でお伝えした中で、今回は「乾いた風邪」のように思います。早速、麦門冬湯を服用、のどの痛みがあるので、板藍茶も併用しました。さあ、どうなることやら…

秋は台風や気圧の関係、また空気が乾燥することによって咳が出やすい季節です。私も、台風が近づくと夜間の咳が悪化することが多いです。
台風が近づくことで、夜間に咳が悪化する理由としては、まず気圧が下がることで血管が膨張し、気道が狭くなります。秋は、ダニの死骸やふんなどアレルギーで、もともと気道が敏感になっている場合が多いので、少しの変化で咳の悪化が起こりやすく、そこに強い低気圧が来ると、特に副交感神経優位な夜間に、咳が悪化しやすくなります。夜間の咳は、睡眠の質が悪くなるので、避けたいですよね~長引くと体力を消耗し、身体全体の不調にもつながってしまいます(>_<)
今回は、秋に多い咳を中医学から考えてみましょう。

咳嗽(がいそう)

中医学では、咳は「咳嗽(がいそう)」と言われます。昔は音があり痰がないものを「咳」、痰があり音がないものを「嗽」と区別していましたが、同時に見られることが多いので、今は二つが一緒になっています。咳嗽は、主に風邪や燥邪が口・鼻・被毛を通じて肺に侵入することによって生じる外感咳嗽と、各臓腑の失調が肺に影響して発症する内傷咳嗽に分けられますが、今回は外感咳嗽について説明しますね~

外感咳嗽の種類

外感咳嗽は、外邪の性質、症状によって、「風寒」「風熱」「風燥」の3つに分けられます。

風寒咳嗽(冷えタイプ)

風邪の初期に起こる咳で、水溶性の鼻汁があり、痰は薄く白く口渇はない状態。悪寒、発熱、頭痛を伴う場合があり、汗は少ないです。
初期の段階で早めに改善できるよう、まず身体をしっかり温めて冷えを追い払い、「肺」の機能を高めるよう心がけましょう。

  • 摂り入れたい食材

体内の冷えを発散する食材:ねぎ、しょうが、シナモン、しそ など

  • よく使われる漢方薬

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)ツムラ19は喘息や花粉症に用いられる漢方薬で、「麻黄」には気管支拡張作用、抗アレルギー作用などがあり、咳などを鎮める効果があります。薄い白い痰で水溶性鼻汁、ゼーゼー、悪寒や頭痛があるときに使用します。悪寒や頭痛はない咳で、胃弱の方は苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)ツムラ119を使用します。

風熱咳嗽(熱タイプ)

かぜやウイルスなどの影響で身体に熱が発生すると、「肺」が炎症を起こして咳・喘息の症状が現れます。濃い鼻水や痰、発熱、口の渇きなど熱っぽい症状を伴うことが特徴です。体質的に熱がこもりやすい人も、熱タイプの咳が出やすいです。
まずは、体内にこもった熱を冷まし、咳、喘息の症状を和らげることが大切です。

  • 取り入れたい食材

身体の熱を冷ます食材:菊花、桑葉、竹葉、びわの葉、梨、大根 など

  • よく使われる漢方薬

黄色い粘りけのある痰で口渇がある痰や喘息に麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)ツムラ55を使用します。清熱作用のある「石膏」が主役で、気管支拡張作用のある「麻黄」も入っており、風邪、喘息の初期に使用されます。清熱作用が強いので、長期使用はできません。慢性の咳で、黄色い粘る痰が続く場合は、清肺湯(せいはいとう)ツムラ90を使用します。清肺湯には熱を冷まし咳を鎮める生薬に加えて、身体に潤いを与える生薬が配合されていて、慢性化して体の潤いが不足して熱が出ている場合に良いです。

風燥咳嗽(乾燥タイプ)

乾燥した秋に多く、辛燥の食物の多食などでも起こります。温燥の邪が肺に侵入し、津液を消耗して体の潤いを失ったために発生します。粘稠で切れにくい少量の痰、もしくは乾いた痰が出ないタイプの咳が出ます。鼻孔や喉の乾燥、咽喉のかゆみや疼痛が伴うことがあります。

  • 取り入れたい食材

身体に潤いを与える食材:梨、柿、いちじく、白きくらげ、黒ごま、松の実、牛乳

  • よく使われる漢方薬

かぜの後期のカラ咳の時に、麦門冬湯(ばくもんどうとう)ツムラ29がよく使われます。痰を出しやすくする主薬の「麦門冬」、こみ上げる咳や吐き気をしずめる「半夏」、滋養強壮作用のある「人参」、のどの炎症を抑える「粳米」、痛みを緩和し咳を鎮める「甘草」から成り立っています。ストレスがあってイライラ感があるときのカラ咳には、滋陰至宝湯(じいんしほうとう)ツムラ92がよいです。この漢方薬は加味逍遙散に似ていて、更年期障害で火照るタイプの方に適しています。また、高齢の方で、口が乾燥するときの咳に、滋陰降火湯(じいんこうかとう)ツムラ92を使用します。腎陰虚の進んだ方の長引く咳に効果的です。

まとめ

風邪は漢方薬の得意分野。早めに直してしまうことが肝心です。でももっと大切なのは、かぜに負けない身体をつくること。体力が落ち、抵抗力が不足するとかぜをひきやすくなるので、よく寝て消化のいいものを食べる、ストレスを適度に発散するなどして、十分な体力を養うように心がけましょう。また空気の乾燥するこれからの季節は、のどや肺など呼吸器を潤し乾燥から守ることもかぜの予防につながります。うがいや手洗いなども大事です。漢方薬を上手に利用して、風邪しらずの生活送りたいですね~(^^)/

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