さあ、今回も、中医学の基本。いつかは書かなきゃと思っていなかなか書けなかった五臓六腑(ごぞうろっぷ)について、お伝えしたいと思います。こんな大事なことは一番最初に書くべきなのですが、おしりに火が付かないと動けない私…(^^;詳しくはエライ先生のHPがたくさんあるので、そちらを見ていただくとして、このブログで使っている言葉ってこういうことなんだなくらいにわかっていただければいいかな、程度にまとめたいと思います。
五臓六腑(ごぞうろっぷ)
中医学において、人間の内臓全体を言い表すときに用いられたことばです。「五臓」とは、肝・心・脾・肺・腎を指します。「六腑」とは、胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦を指します。現代医学におけるそれぞれの臓器とは似ているようですが違っていています。五臓と六腑はつながっていて、肝と胆、心と小腸、脾と胃、肺と大腸、腎と膀胱が深いかかわりがあります。三焦は、五臓すべてとかかわりがあります。五臓と六腑は片方の調子が悪くなると、もう片方も悪くなっていく、というような関わり合いです。そして、以前お話しした五味もそれぞれの臓器と対応します。
五臓
- 肝(かん)
血を貯蔵し、全身に送る血流量を調節します。また、気の流れを調整し、臓腑組織の働きをのびのびとスムーズにする働きがあります。自律神経と深いつながりがあり、感情を安定させるはたらきをもちます。春は、寒い冬から暑い夏への変化や、生活環境の変化も多いことから、肝に負担がかかりやすい季節です。肝の状態をよく表すのは爪です。柑橘系など酸っぱい食べ物は、肝を元気にします。
- 心(しん)
全身に張り巡らされた血脈を通じて、血液を送るポンプ的なはたらきをします。また、精神や意識を安定させる作用もあります。暑い季節は汗をかいて津液や気を消耗し、心に負担をかけます。心の機能が低下すると、顔色は悪くなるなど、顔色が心の状態を表します。ゴーヤのような苦みのある食べ物が心を元気にします。
- 脾(ひ)
胃とともに消化吸収を担い、気や血、津液を作り出し、それらを全身に運ぶ働きします。又、血液を血管内から漏れ出さないようにする働き、栄養分や内臓を上に引き上げる働きがあります。湿に弱く、梅雨や高温多湿の夏に弱りやすいです。唇の色つやは、脾の状態を表します。i藻やカボチャなど、甘みのある食べ物は脾を元気にします
- 肺(はい)
新鮮な空気を取り入れ、全身に送り出す働きや、栄養分や津液を運搬、分配を行う働きがあります。皮膚や粘膜のバリア機能とも深くかかわりがあります。潤いを好み、乾燥する秋から冬にかけて、弱りやすいです。皮膚と関係が深く、皮膚が弱い人は肺も弱いと考えられます。ねぎ・だいこん・かぶ ・しょうがのような白い野菜の辛味は肺を元気にします。
- 腎(じん)
生長、発育、生殖をつさかさどり、老化とも関連しています。人体の生命力「精」を貯蔵する場所です、人体の陰陽のバランスを調整します。脾、肺とともに体内の水分代謝に関与しています。呼吸を深く吸い込む働きもあります。体を冷やさないようにすることは腎にとって大切で、気温の低い冬は腎に負担がかかりやすい季節です。髪の毛や歯の状態が腎の機能を表します。ワカメや昆布などの鹹味は腎を元気にします。
六腑
六腑の主な生理機能は、飲食物を消化によって上から下に運ぶことで、この働きが異常になると、下に降りなくなり、詰まってしまい、逆に上がってきてしまいます。気持ち悪くなったり、嘔吐したり、という症状が起こります。
- 胆
胆汁の貯蔵と排泄をし、胆汁の働きで消化を助ける働けます。
- 胃
飲食物の受納(じゅのう)と腐熟(ふじゅく)を行い、食物を受入れて消化する働きがあります。
- 小腸
清濁泌別(せいだくひつべつ)という働きがあり、胃から送られてくる飲食物を受け入れ更に消化し、必要なものと不要なものを分別します。
- 大腸
糟粕(そうはく)という小腸で消化されて不要なものの中から水分を再吸収し、糞便を形成する働きがあります。
- 膀胱
不要になった水分を尿として溜め、体外に排泄します。
- 三焦
水分を全身に行き渡らせるための通路としての働きがあります。体の部位を上・中・下に区分して、横隔膜より上の上焦(じょうしょう)、横隔膜以下で臍以上の腹部の部位を指す中焦(ちゅうしょう)、臍より下の下焦(かしょう)があり、三焦と呼ばれます。
まとめ
腎の機能が落ちる「腎虚」と血流が悪くなる「瘀血」は年とともに全員に表れます。これには補腎と活血をしていくこと。そして、特に自分が弱い臓腑をケアするような食生活や季節の養生、そして体質に合った漢方薬を使うことで、老化のスピードが遅くなり、元気に動ける時間が長くなる、これは師匠受け売りの養生法です(^^♪たとえば私は脾が弱いので、補腎活血と脾虚に対する薬をベースに飲んで、さらに食生活養生を気を付けています♪皆さんも中医学の知識を上手に生活に取り入れて、のんびり歳をとっていきましょうね~(^^)/