夏のおすすめ漢方薬♪

昨日から、また一段と暑くなって、こちらは梅雨が明けたようなお天気です。こんなに急に暑くなると、まったく身体がついていきませんが、ばててもいられない!この時期の強い味方、「清暑益気湯」を飲み始めました!

清暑益気湯(せいしょえっきとう)

身体に元気を付ける漢方で有名な「補中益気湯 (ほちゅうえっきとう)」の夏バージョンの漢方薬、とも言われていて、補中益気湯から、体を温める作用や発汗する作用の生薬を除いて、体の水分保持する生薬や体の熱を冷ます生薬が入っています。実は、清暑益気湯は、私の大好きな「麦味参」がベースの漢方薬です。♪

構成生薬

ベースの麦味参は3つの生薬が入っています。

  • 人参…エネルギー源の気を補う作用
  • 麦門冬…体液を補充して体に潤いを与える作用
  • 五味子…汗を止めて体液が体外に流出するのを防ぐ作用

その上に以下の生薬が加わります。

  • 白朮(びゃくじゅつ)甘草(かんぞう)…胃腸の機能を高める作用
  • 当帰(とうき)…血を補う作用
  • 黄耆(おうぎ)…気を補い、汗を止める作用
  • 黄柏(おうばく)…夏の過剰な湿と熱を取り除いて体を冷ます作用

エネルギーの源の気を補う働きを(補気)、血を補う働き(補血)、身体を冷ます働き、津液が外に出るのを防ぎ補充を行う働きのある漢方薬で、汗をかいて消耗した体にピッタリです。清熱作用はそんなに強くないので、長期使用もOK。私のような冷え性気味の人にも使いやすいです。もともと脾胃が弱く人が、暑湿にやられて、疲労感や食欲不振がでているような場合に向いている薬です。

せっかくですので、補中益気湯との違いも説明しましょう♪

補中益気湯

生命活動のエネルギーである「気」の量が不足した「気虚(ききょ)」に対して使われる漢方薬です。「中=(体の内側)を補い気を増やす」という意味で名付けられていて、胃腸のはたらきを高め、食欲を出すことで「気」を増やし、「気」を上のほうに動かしてめぐらせることで、元気を補い、胃腸の消化・吸収機能を整えて疲れを改善していきます。

構成生薬

代表的な補気剤の「四君子湯」から利水剤の茯苓を抜いたものがベースです。

  • 人参・白朮・甘草・大棗(たいそう)・生姜(しょうきょう)…脾胃の気を補い、働きを高める

その上に以下の生薬が加わります。

  • 陳皮(ちんぴ)…気を巡らし、胃腸の機能を高める作用
  • 当帰(とうき)…血を補う作用
  • 黄耆(おうぎ)…気を補い、汗を止める作用
  • 柴胡(さいこ)・升麻(しょうま)…気を上に引き上げる作用

「補気」または「理気」の生薬がメインで、弱った胃腸の機能を高め、気を益し、気を巡らせて、体力を回復させるので、病後によく使われるのがわかる気がしますね。人参が入っているので、血圧の高い人は様子を見ながら使用するようにしましょう。音声の薬なので、陰虚から体のほてりがあるような方は不向きです。

夏バテに使用する場合、「水」がポイントになってきます。脱水傾向がそれほどひどくない場合は、「補中益気湯」を使ってもオッケー。津液が不足し、体のほてりを感じるときは、体に潤いを与え、熱を冷ます力のある「清暑益気湯」のほうがよいでしょう。逆にエアコンによる冷えがある場合は、「清暑益気湯」はさらに体を冷やすので「補中益気湯」のほうが良いです。このあたりが、現代の夏バテに対する対応の難しさですね…^^;また、熱中症のほてりや口渇の改善など、もっと体の熱を冷ましたいときは、「白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)」が使われます。

白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)

「白虎湯」に人参を加えたもので、体の熱を冷まし、体内に水分を保持する働きをする漢方薬です。身体の熱を取ったり炎症を鎮めたりする作用があり、熱によって水分が取られ、口が乾いている症状に向きます。中医学では、熱中症を「中暑(ちゅうしょ)」といい、「暑さにあたった」という意味になります。白虎加人参湯は、熱を冷ましてのどの渇きを改善する効果が期待できます。

構成生薬

  • 石膏(せっこう)…熱を冷ます作用が強く、津液の消耗を防ぎ、口喝を回復させる作用
  • 知母(ちも)…石膏の働きを助け、熱を冷まし、体を潤す作用
  • 粳米(こうべい)・甘草…石膏、知母の熱を問う作用をやわらげ、胃の働きや津液を補う作用
  • 人参(にんじん)…エネルギーの源の気を補う作用

白虎加人参湯は比較的初期の糖尿病によるのどの渇きに用いられることもあります。また、痒みや熱に効くことから、アトピーなどの皮膚炎にも使われることがあります。炎症や熱を取ることに注力した漢方ですので、冷え性の場合には向きません。体の熱をとる作用の強い石膏が入っているので、症状が落ち着いたら中止して、長期に使用しないようにしましょう。

今日紹介した漢方薬は、すべてツムラにあるものなので、比較的手に入りやすいですね。完全にダウンしてしまう前に、うまーく漢方薬を使用して、暑さ対策していきましょうね~(^^)/

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