寒の花粉症、熱の花粉症

先日、ジャムウ茶のことを書きましたが、その中で、花粉症には「鼻水型」「鼻詰まり型」があることに軽く触れました。また、花粉症に対する中医学的な予防法についてはお伝えしましたが、本格的飛散が始まり、予防法では間に合わない~~~という方も増えてきていると思います。今回は、中医学的に考える花粉症、そしてその対処法を詳しくお伝えしちゃいますね~(^^♪

花粉症

花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を起こす病気です。季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。日本では、スギ、ヒノキ以外に、カモガヤやブタクサなど約60種類の植物が花粉症を引き起こすとされています。

花粉症の症状

鼻の三大症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)とともに、目の症状(かゆみ、涙、充血など)を伴うこと多く、のどのかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽい感じなどの症状が現れることもあります。
また、、シラカンバ、ハンノキ、イネ科花粉症などの人が、ある果物や野菜を食べると、口の中がかゆくなり、腫れたりする「口腔アレルギー症候群」という症状もあります。

花粉症発症のメカニズム

①花粉という異物(アレルゲン)が侵入すると、体はこれと反応する物質(IgE抗体)をつくります。
②IgE抗体ができた後に再び花粉が体内に入ると、鼻や目の粘膜にある肥満細胞の表面にある抗体と結合します。
③肥満細胞から化学物質(ヒスタミンなど)が分泌され、くしゃみや鼻水、痒みが出ます。

花粉症の薬物療法

花粉症の薬物治療はくしゃみや鼻水などの症状を抑えることが目的です。症状に合わせて内服薬、点鼻薬、点眼薬が用いられます。花粉症を根治する治療法もあります。

  • 内服薬

鼻水やかゆみを抑える抗ヒスタミン薬(アレグラなど)がよく使われます。鼻づまりがひどい方には、粘膜の充血や腫れを抑える「交感神経刺激薬」のプソイドエフェドリンとアレグラが一緒になった薬(ディレグラ)や、ロイコトリエン受容体拮抗薬(シングレアなど)が使われます。漢方薬は小青竜湯が有名ですが、これは後程説明しますね!

  • 点鼻薬

もっともよく使われているのが、鼻噴霧用ステロイド薬(ナゾネックスやアラミストなど)です。鼻詰まりのひどい時に交感神経刺激薬(プリビナなど)も使われます。他は、ケミカルメディエーター遊離抑制剤、抗ヒスタミン薬もあります。

  • 点眼薬

抗アレルギー点眼薬のアレジオンやパタノールがよく使われています。目のかゆみのひどい時には、ステロイド点眼薬も使用します。

  • 舌下免疫療法

花粉症の原因となっている抗原を少しずつ体内に吸収させることで、抗原に対する反応を弱めていく治療法です。2〜3年という長い期間の治療が必要となりますが、花粉症を根治できる可能性があります。症状のひどい方やお子様が受けられることが多いです。ショックなどの副作用がごく稀にありますので、お医者さんとよく相談しましょう。

中医学から見た花粉症

中医学では花粉症は、「風邪(ふうじゃ)」と呼ばれる自然界の邪気が、寒邪もしくは熱邪と一緒に身体に入り込むことで起こる症状と考えます。どの邪気が入るかによって、「鼻水型」と「鼻詰まり型」に分かれます

  • 鼻水型

「風寒(ふうかん)」という邪気の侵入で起こる「寒」の花粉症のことで、透明で水っぽい鼻水がずるずる出るのが特徴です。顔色が青白い、くしゃみやむくみ、冷えによる悪化、胃腸が弱い、などの症状がでる方が多いです。身体を温め水分代謝を良くする「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」ツムラ19などが使われます。

  • 鼻詰まり型

「風熱(ふうねつ)」という邪気の侵入で起こる「熱」の花粉症のことで、粘膜が腫れて鼻が詰まる、黄色く濃い鼻水や痰がでる、顔色が赤い、口の渇き、目の充血、皮膚の赤みなど熱の症状が特徴です。炎症を抑えて熱をとる作用のある「辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)」ツムラ104などが使われます。副鼻腔炎の時にお伝えした漢方薬ですね

中医学的養生

以前にブログでお伝えしましたが、中医学では、「衛気(えき)」という気が、全身をくまなく巡って体表にバリアを張り、邪気の侵入を阻止し病気になる前に防ぐと考えられています。気が不足すると、風邪をよくひくいたり、アレルギー症状が悪化する、などの症状が起こります。呼吸器系が弱い「肺気虚(はいききょ)」、消化器系が弱い「脾気虚(ひききょ)」の人が特に注意です。普段から冷たいものや脂っこいものを摂りすぎないようにして、気を作る場所である脾胃を守ることが大事です。
また、中医学では、「肺」は鼻や皮膚とつながっており、「大腸」とも密接な関係があるとされています。大腸の環境を整えることが=肺の強化につながり、鼻や皮膚の症状を抑えることができるので、腸内環境を整えることが大事です。善玉菌のえさになる水溶性食物繊維やオリゴ糖、そして発酵食品を積極的に摂りましょう。

まとめ

私は小さいころからひどい花粉症でしたが、ここ3年発症していません。周りからは、年のせいとさんざん言われていますが、脾気虚に対する漢方薬、そして腸内環境を整える健康食品のおかげと信じています♪まあ、この3年は飛散量も少なかったので、そのおかげもあるかもしれませんね(^^;
さて、今年も、今のところ快調ですが、10年に一度と言われる花粉の当たり年とのことで、どうなることやら…期待と不安が半々くらいですが、日々の養生を続けて、この季節を乗り切りたいと思います。皆様も、どうぞ脾胃や大腸を整えることを意識して、花粉対策頑張ってくださいね~(^^)/

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