小林製薬はおもしろい(^^♪

最近、患者さんに薬の説明をしていた時のことです。
「薬の名前って難しい。長いカタカナが覚えられないし、漢方薬は読めないことも多いよ…小林製薬の薬みたいなら覚えやすいのに…」
私も常々思っていたんです~と話が盛り上がっちゃいました(*^-^*)

小林製薬のネーミング、本当にわかりやすいし、ぷぷっと笑っちゃいますよね~♪ただ、専門家のはしくれとしては、ちょっと説明が足りないかな~と思うのも事実。今回は、小林製薬の漢方薬の有名どころを中心に、どんな人に合うのかや、他の使い方などお話ししていきたいと思いまーす(^^♪

アルピタン

ツムラ17「五苓散(ごれいさん)」です。「アル」コールによる頭痛が「ピタン」と止まる、という感じでしょうか(^^)
構成生薬はタクシャ、チョレイ、ブクリョウ、ビャクジュツ、ケイヒ。水分代謝がうまくいかず、体に余分な水分がたまった状態:「水滞」が原因のむくみ、頭痛、下痢、吐き気などに使用されます。

アルコールは体内で分解されると、「アセトアルデヒド」という物質になり、血管を拡張させ、神経を圧迫し炎症をおこし痛みを発生させます。また、広がった血管から水分が漏れ出し、血管を取り巻く組織や脳にむくみが発生し、神経を圧迫し痛みを発生させます。

五苓散には利水作用があり、余分な水分の排出をします。また、健脾作用もあるので脾の運化作用を促進して水を巡らせることにより、症状を改善します。
二日酔いによる頭痛だけでなく、気圧の変化や、高山病による頭痛にも効果的。頭が痛くなったらとりあえず飲むことが多いです!(^^)!富士山登山の時も大活躍しました~

アルコールを飲むときによく一緒に水を飲むように言われますが、この水分は、水滞を悪化させることはないです。脱水を改善し、アセトアルデヒド濃度を下げることで、二日酔い予防になりますので、しっかり摂取しましょうね。

チクナイン

ツムラ104「辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)」のことです。「ちく」膿が「ないん」だーって感じでしょうか(^_-)-☆
構成生薬はセッコウ・バクモンドウ・オウゴン・サンシシ・チモ・ビャクゴウ・シンイ・ビワヨウ・ショウマ。鼻ポリープ(鼻痔)の薬として使われる薬で、清熱薬が多く含まれいます。ちくのう症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎など、特に鼻水が黄色くて熱感があるときに効果的です。また、黄色い痰が出る咳にもよく使われます。
ちなみに、水様の鼻水や水っぽい痰が出る咳の場合は、ツムラ19「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」が効果的です。花粉症も水っぽいタイプと熱っぽい=鼻づまりタイプに分かれますので、うまく使い分けましょう。

ナイシトール

ツムラ62「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」のことです。これは有名ですね!「内脂取ーる」という感じですかね~

構成生薬は、ボウフウ、ケイガイ、マオウの解表薬、ハッカ、セッコウ、オウゴンなど清熱薬、ダイオウ、ボウショウの下剤など、18種類の生薬からできています。
食事からの脂質の吸収を抑える作用があり、吸収されなかった脂質は、老廃物として便と一緒に排出されます。脂肪の吸収を抑える効果が期待できるとして有名ですが、下剤が入っているので、「便秘がある肥満の方」に有効です。作用が強いので、気虚がある方には不向き、長期使用もあまりお勧めできません。

ナイトミン

ツムラ103「酸棗仁湯(サンソウニントウ)」です。「ナイト(夜)ミン(眠)」ですかね~(^^)
構成生薬は、サンソウニン、ブクリョウ、チモ、センキュウ、カンゾウ。血を養って、心神を安定させる漢方薬です。
以前、不眠についてお伝えしましたが、いろいろな不眠のタイプがある中で、心と肝に由来する不眠に効果的です。ただ、不眠に対するファーストチョイスと言ってもいい感じで、私も、帰脾湯と合わせて飲んでいます♪更年期で火照るタイプの不眠にも効果があり、イライラ感がある方にもおすすめです。

コムレケア

ツムラ68「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」です。コムレ(こむらがえり)をケアする、という感じでしょうか^^
シャクヤクとカンゾウの2種類からなるシンプルな処方で、その分効果が高く、即効性があることでも知られています。肝の陰血不足による、急激に起こる筋肉のけいれんをともなう痛みに対してよく用いられ、その他、急性の腰痛・腹痛などにも使われます。

こむら返りも以前お伝えしました。ミネラルバランスの乱れから起こると言われていて、高齢者で悩んでいる方は多いです。副作用がなく、安全な薬ですが、甘草の量が多いので、他薬と併用するときは注意が必要です。毎日飲むというよりは、頓服で。痛くなってからでも効果がありますが、今日はつりそう…というときに予防的に飲むのもおすすめです。

今回は、有名どころ5種類を紹介しました。カタカナの羅列の名前や〇〇湯みたいな名前より、よっぽど憶えやすいですよね~他にも、まだまだ面白ネームの薬があるので、また紹介していきますね~(^^)/