歯肉炎に効く漢方薬

数日前から、歯茎の痛みがあります💦だいぶ前に、虫歯が進行して神経を取ってかぶせものをした歯が、2年位前から時々違和感が出ます。前回症状が悪化したときは、歯医者さんでレントゲンを撮ってもらいましたが異常なし。残っている歯の根が、何らかの原因で違和感を起こしているのだろうととのことで、抗生剤と痛み止めが処方されました。今回も前回に匹敵するくらい、痛みがひどくなってきたので、週明け歯医者さんに行かなきゃな…と観念しております。
今日は、痛みと戦いながら、つら~い歯茎の痛みに効果のある漢方薬について、お伝えしたいと思いま~す泣泣

排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)

排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)」ツムラ122とは、『金匱要略』という昔の書物にある2つの処方「排膿散」「排膿湯」を、江戸時代の吉益東洞という人が合方して使い始めたと言われています。「排膿散及湯」の主薬は「桔梗」です。排膿作用があり、「できもの」「はれもの」「おでき」等の化膿症に用いられます。
構成生薬は

  • 桔梗(キキョウ)
  • 枳実(キジツ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 甘草(カンゾウ)
  • 生姜(ショウキョウ)
  • 大棗(タイソウ)

風邪の初期にジトっとした汗が出るときに使われる「桂枝湯(けいしとう)」という薬がありますが、排膿散及湯は桂枝湯の「桂枝」を「桔梗(キキョウ)」「枳実(キジツ)」に代えたような内容で、桂枝湯における桂枝の発汗作用を、桔梗の排膿作用に変えたような感じです。「芍薬(シャクヤク)」も加わって膿を排出する作用が強いです。また、桔梗と甘草は、「桔梗湯(キキョウトウ)」という咽頭が腫れて痛むときによく用いる漢方薬の構成生薬、芍薬と甘草は、「芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウ)」というこむらがえりの痛みに良く効く漢方薬の構成生薬で、痛みや炎症に対応することが伝わってきますね。

皮膚の患部が赤く腫れて、痛みがあり、化膿しているときに適します。さらには、初期の患部が赤くなり始めた時期から、膿が出来始めてまだ出ていない時期、そして排膿の時期まで、全期間を通して使用できる方剤となっています。口腔内・鼻腔内の化膿性疾患にも効果があり、副鼻腔炎でよく使われる「葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)」が、効かない場合に有効であったとの報告もあります。

葛根湯(かっこんとう)

風邪の初期症状によく効く「葛根湯(カッコントウ)」ツムラ1にも、実は歯肉炎にも効果があるんです。
構成生薬は

  • 葛根(カッコン)
  • 麻黄(マオウ)
  • 桂枝(ケイシ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 甘草(カンゾウ)
  • 生姜(ショウキョウ)
  • 大棗(タイソウ)

先ほど出てきた「桂枝湯」に、鎮痛作用のある「葛根(カッコン)」と、解熱作用のある「麻黄(マオウ)」を加えたものが葛根湯です。葛根と麻黄を組み合わせることで強力に汗をかかせて身体の中の冷えの害を体外に追い出す作用があり、ゾクゾクした寒気がある風邪の初期に服用すると効果的です。
また、筋肉を温めて、強張りを取り除くので、肩こりにも効果があります。消炎と鎮痛作用があり、歯肉炎などによる歯茎の腫れや痛みを抑えることもできます。

使い分けと注意点

炎症が軽度であれば、葛根湯で対応できます。
歯ぐきの炎症が進み、腫れた部分を指で押すと、柔らかくプヨプヨし、口臭があるような場合は排膿散及湯を使います。とくに発赤が強い場合には排膿散及湯に「黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)」ツムラ15を併せて使用すると良いです。
排膿散及湯は、穏やかな生薬によって構成されているので、どんな体質の方にも使うことができます。化膿が治まるまでやや長めに使用することができます。
葛根湯には、麻黄が配合されているので、胃腸が弱い方、血圧が高い方、高齢の方、不眠のある方、またはアスリートの方は注意が必要です。
また、漢方薬を服用しても症状が改善しないときは早めに歯科医を受診しましょう。

まとめ

おできやはれもの、というが思い浮かびますが、抗生剤の乱用、耐性化をが問題になっていますし、抗生剤を服用すると、腸内細菌がダメージを受け、それがもとに戻るまでに3か月かかると言われています。どうしてもの時は仕方ないですが、できれば飲みたくないですね。私は今回、漢方薬が手もとになく、とうとう何年振りかに抗生剤を服用しましたが、排膿散及湯を常備して、次回の歯肉の腫れに対応したいと思います。歯医者さんも早くいかなきゃね^^;
化膿性疾患の初期なら漢方薬で対応できます!できるだけ抗生剤を飲まないためにも、みなさまも、ぜひ常備してみてくださいね~(^^)/