急に気温が高くなってきましたね~庭のモッコウバラはもうすっかり満開。いつもの年より2週間くらいは早い気がします。昨夜もふと目覚めたら、汗をびっしょりかいていて、そろそろ冬パジャマから変えないといけないようです・・^^;この汗は、体温調節に必要なものですが、中医学では、必要以上に汗をかくような場合は、体のどこかに不調があると捉えます。今回は、汗について、中医学的に考えたいと思います。
汗
汗は、皮膚にある汗腺という器官から出てきます。汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があり、「エクリン腺」は主に体温調節のために汗を出す汗腺で、分泌される汗は無味無臭です。「アポクリン腺」は特にワキの下に多く分布し、脂質やタンパク質などニオイのもととなる成分を多く含んでいます。もともとはフェロモンの役割をはたしていたともいわれています。
汗がでるきっかけとなるのは、体温調節のほか、緊張したときや驚いたときなどの精神的なもの、そして辛い食べ物など味覚からくるものがあります。
中医学からみた「汗」
中医学では、汗は津液の一部であり、津液は血の一部ととらえていて、『汗は心液』または『汗血同源』といわれます。体の陰陽のバランスと密接な関係があります。
中医学で気を付けるべき汗(汗証)は大きく次の二つがあります。
- 自汗(じかん)
気温や服装、活動量にかかわらず、少し動くだけで汗びっしょりになる状態で、病後など体が弱っているようなときに起こることが多いです。
- 盗汗(とうかん)
夜間に出る寝汗で、寝ている間は汗が出て、目が覚めると汗が止まっている状態です。更年期の女性に多い症状です。
汗証の原因
- 肺気不足
五臓の肺は金の五行にあたります。もともと、虚弱体質で肺が弱かったり、長い間喘息を患っていたりすると肺気が不足していきます。肺と皮毛(皮膚表面)は表裏の関係にあるので、肺気が不足すれば、皮毛の汗を排出している腠理が開いたままになってしまい、汗が大量にでていきます。主に自汗の原因になります。
「麦味参(ばくみさん)」や「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」ツムラ41を服用します。より血虚が強い場合は「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」ツムラ108がよいです。
- 営衛不和(えいえいふわ)
からだの内と外の気の力が低下して、汗腺の締まりが悪くなると汗が出てきます。このような状態を営衛不和と言います。少しの風邪を受けただけで、汗がでてしまうというような症状もでてきます。自汗も盗汗も現れます。
虚弱体質で汗が出やすい人に桂枝湯(けいしとう)ツムラ45が効果があります。不眠や動機など精神症状を伴う場合は、長期に服用できる「桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)」ツムラ26がよいです。
- 陰虚火旺(いんきょかおう)
身体の熱を下げる陰(血液や津液)のエネルギー不足から、身体が熱を持った状態になります。体内で火が発生し、水を体内に貯蔵できず、汗となってでていってしまいます。盗汗(寝汗)の原因になります。「六味丸(ろくみがん)」ツムラ87に知母と黄柏を加えた「知黄地黄丸(ちばくじおうがん)」がよいです。ツムラにはないです^^;
- 熱鬱蒸(じゃねつうつじょう)
飲食の不摂生、もしくは湿邪の侵入によって、脾(消化器官)の失調が起こると、湿熱がさかんになります。水は身体の外に出ていってしまい汗が沢山でる原因になります。過剰なストレスで湿(余分な水分)が熱とともに上昇して、頭部や手足に発汗が起こります。特に午後化や夕方にかけて汗をかきます。症状が強い場合は「竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)」ツムラ76、長期に服用したい場合は「茵蔯五苓散(いんちんごれいさん)」ツムラ117がよいです。
おススメ食材
- 潤いと気を養う
小麦、もち米、大豆、黒豆、山芋、なつめ、クコの実、桑の実 など
- 汗を収れんする
梅、レモン、 銀杏、蓮の実、五味子(ごみし)、酸棗仁(さんそうにん) など
- 熱を冷まし利水する
きゅうり、苦瓜、れんこん、とうもろこし、緑茶 など
まとめ
以前、「ホットヨガ」のことをお話ししましたが、私たち世代は潤いをいかに失わないようにするかがとっても大事です。異常な汗が出ているときは、身体から不調のサインが出ている証拠なので、たかが汗と思わす、しっかり対処していきたいですね~私の今朝の寝汗も、暑さだけでなく、陰虚もあるのかな^^;とりあえず麦味参を飲んで、潤いチャージします!さあ、暑い季節がだんだん近づいていますよ~しっかり潤い対策していきましょうね~(^^)/