急に気温が下がってきました。もともと寒がりですので、慌ててフリースを引っ張り出して着込んでおります^^;寒くなってくると、急につらくなるのが肩こり…ヨガをしたり、お風呂で温めたり、いろいろがんばっていますが、なかなか改善しませんね~
たかが肩こり、でも、これはいろいろな病気のもとになる「瘀血」の症状かもしれません(>_<)。私の場合、漢方薬局で勤めるようになってからすぐに出会った薬が、劇的に肩こりを改善してくれて、以前よりはずいぶんよくなりました。その漢の名前は「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」初めて飲んだ時、30分くらいで、ひどい肩こりがスーッと楽になる感じがした感動を今も覚えています。今回はこの薬について熱く語りたいと思います~♪
瘀血(おけつ)とは
以前のブログでもお話しした通り、瘀血とは、血流が悪くなり、体に栄養素が巡らない状態のことです。血管の99%を占める毛細血管は、年とともにどんどん減っていきますが、血流が悪い状態が続くと、毛細血管まで栄養や潤いが行き届かなくなり、また老廃物を回収できなくなるため、いろいろな症状が表れます。クマ、シミ、そばかすなど、皮膚のトラブルや、肩こりや関節痛、頭痛など出やすいです。瘀血を改善するのが「活血化瘀剤」と呼ばれる漢方薬で、冠元顆粒はその代表的な薬です。
冠元顆粒
中国の漢方処方「冠心Ⅱ号方(かんしんにごうほう)」は、丹参を主成分に瘀血を改善する5種類の生薬からなるもので、1966年文化大革命の時代に作られた漢方薬です。即効性があり狭心症や心筋梗塞などの血管病の治療に効果を発揮します。
「冠元顆粒」は「冠心二号方」を元に、10年もの歳月をかけて日本で研究を行い、1991年にイスクラ産業が初めて製品化に成功した漢方薬になります。私の漢方薬の師匠のお父様が中心となって作られたお薬で、その種の勉強会にせっせと参加したおかげか、いつの間にか私も大ファンになっていました(^^♪
冠元顆粒は、日本人の体に合うように6種類の生薬で構成されていて、活血作用に優れ、瘀血による様々な疾患に用いることができます。
冠元顆粒と他の活血化瘀剤との違い
血の巡りが悪く、瘀血が体内に停滞する病症に用いる「活血化瘀剤」にはいろいろありますが、有名どころでは「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」ツムラ25、「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」ツムラ61、そして「温経湯(うんけいとう)」ツムラ106という処方があります。
「桂枝茯苓丸」には、瘀血を改善する代表的な生薬の「牡丹皮・桃仁」が入っています。「茯苓」によって、その薬効を子宮部に集中させるので、婦人科疾患が得意分野。特に子宮筋腫のような瘀血で生じる塊を解消する作用があります。実際、3cm以下の子宮筋腫なら、半年~一年で消える可能性があるともいわれています。
「桃核承気湯」には「桃仁」と「大黄」が含まれています。大黄というと一般的には「下剤」ですが、余分な熱を下げつつ血を巡らせる作用があります。熱っぽい便秘の方の瘀血解消に使われます。妊婦さんや脾虚による下痢の方(私です^^;)には禁忌、体を冷やすので生理期の使用も避けましょう。
「温経湯」は、瘀血に加えて「血虚(けっきょ)」があり、冷え、特に下腹部の冷えの強い方に用います。「牡丹皮・川芎」などの活血薬に加え、「当帰・阿膠・芍薬」などで、陰血を補います。また、「呉茱萸・桂枝」で体を温めます。更年期の自律神経の乱れにも効果的。長期使用もオッケーです。
それに対して、「冠元顆粒」は、なんといっても主役の「丹参」に優れた活血作用と養血作用があります。その他、強い活血薬の「赤芍薬・川芎・紅花」に加えて「香附子・木香」という気を巡らせる生薬が含まれていて、活血の効果を体の隅々にまでいきわたらせます。特に、人間の体の99%以上を占めると言われる毛細血管の血の巡りを良くすることが知られています。
期待できる効果としては、
・血管の弾力性がアップして、血管を丈夫にする
・赤血球を柔らかくして毛細血管を通りやすくする
などから、動脈硬化の抑制を期待することができ、高血圧や糖尿病など動脈硬化が進みやすい方に対して特におすすめです。(これらは師匠からの受け売りですが…^^)
冠元顆粒を飲む際に気をつけること
・出血傾向がある場合は使わない(アスピリンやワーファリンとの併用は可)
・手術の1週間前~2週間後までは服薬中止する
・血虚のひどい方や熱っぽい症状(陰虚)がある人、高熱時は控える
・紅花が入っているので、妊娠中の方は控えましょう
・夜遅く飲むと目がさえる場合があるので、夕方に服用する
おなかが緩くなる人もいるので、最初は1袋ずつから始めて、少しずつ増量していきましょう。
まとめ
冠元顆粒は、スローエイジングには欠かせないとても良い薬ですが、お値段もまあまあ良いです^^;何とかツムラで代りを探したいところですが、全身の毛細血管に働きかける、という点ではちょっと他の薬では代用できないなぁという気がしています。瘀血がそんなに強くなくて、冷えがある方には、上の3つの中で、「温経湯」が薬の方向性が似ている気がしますが、私の場合は瘀血が強いので、ちょっと力不足かな…3年前に出会った冠元顆粒、今も毎日1袋を夕方に、寒い時期は朝晩に飲んでいます。今回の肩こり悪化は、そろそろ朝晩飲みなさいと言ったサインかもしれませんね。
血流、特に臓器や末梢血管の血流を促進することはスローエイジングの基本。血管の若さは体の若さにつながります。皆様も、ぜひ、体に合った活血化瘀剤で、血流改善目指しましょうね~(^^)/