膝の痛みを中医学の視点から考える

のんびり日記

相変わらず、膝の違和感は続いており、昨日初めての膝のヒアルロン注射を受けてきました。友達から痛かったあ~と聞かされていて、超緊張しましたが、痛みはそれほどでもなく、やれやれ(^^;毎週1回ずつ5回コースで、効果があるかは個人差があるとのことですが、効いてくれるのを願って、せっせと通おうと思っています。しかし…なんだか一気に年を取った気がするのはなぜでしょうか泣

さて、西洋医学では、関節の構造的な問題として診断されることが多い膝の痛みですが、中医学では「気血の流れ」や「臓腑の働き」と大きなかかわりがあると言われています。中医学のみで膝を治すのは難しいですが、何かの助けになるかもしれない!ということで、今度は中医学の観点から、膝の痛みとみてみましょう。

簡単に前回のおさらいから♪

西洋医学との違い

西洋医学では関節の構造や炎症に焦点を当て、鎮痛薬、ヒアルロン酸注射、リハビリなどが中心になります。一方、中医学では体質や全身のバランスを整えることで、膝の痛みを根本から改善することを目指します。そのため「膝だけを見る」のではなく、腎や血流、冷え体質の有無などを考慮するのが特徴です。

中医学における膝痛の原因

  • 腎虚(じんきょ):腎は骨を司るとされ、腎の力が弱まると骨や関節がもろくなり、膝の痛みやだるさが出やすくなります。特に高齢者や慢性の膝痛に多いタイプです。
  • 血瘀(けつお):血流が滞ることで膝の周囲に痛みやこわばりが生じます。外傷後の慢性的な痛みや、夜間に強くなる痛みはこのタイプに多く見られます。
  • 寒湿(かんしつ):冷えや湿気が関節に入り込むことで、重だるい痛みや天候に左右される痛みが出ます。雨の日に膝が痛むという人は、このタイプが考えられます。

中医学的な対処法

  • 腎を補う:山薬、枸杞子、杜仲などを用いて腎の働きを強め、骨や関節を支える力を回復します。
  • 血流を改善する:当帰、川芎、紅花などを使って血の巡りを良くし、滞った痛みを和らげます。
  • 寒湿を除く:防已、薏苡仁、独活などで体内の余分な湿気を取り除き、冷えを改善します。

代表的な漢方薬

  • 独活寄生湯(どっかつきせいとう)

主薬は独活で、下焦と筋骨の間の風寒湿邪を除きます。桑寄生・杜仲・牛膝は筋骨を強め、筋力低下を改善します。独活・防風・秦艽・細辛・肉桂は外気の影響を和らげます。当帰・白芍・生地黄・川芎は四物湯(しもつとう)の構成生薬であり、血を補い血流を改善します。人参・茯苓・甘草は胃腸を補い、エネルギーを増やして寒暖差に負けない身体づくりを助けます。細辛や肉桂をはじめ、構成生薬の多くが温性なので、寒気や湿気で起きる関節・筋肉・骨などの疼痛全般に用いられます。

  • 疎経活血湯(そけいかっけつとう)

冷えている部分を温めたり、部分によって過剰な水分とり除いたりすることで、「関節痛」における痛み・しびれを改善する処方です。「気」のめぐりを良くする生薬や「血(けつ)」のめぐりを良くする生薬、「気」が動かなくなるために生じた熱を冷ます生薬が入っており、血流の滞りによる関節痛に用いられ、動かすと楽になる痛みに適しています。体力があり元気なタイプで、特に瘀血を原因とした刺すような傷みがみられます。腰から下(腰・臀部・脚)にかけての痛みに特によく効くと言われます。

  • 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

「水」の巡りを整え、体内の余分な水分を排出することによって、むくみや水ぶとりの改善に効果がある処方です。また、胃腸機能を高めて「気」(エネルギー)を補う作用もあります。体のむくみや重だるさを伴う関節痛に用いられます。湿気がたまって膝が腫れぼったいタイプに向きます。利尿作用によって膝に溜まった水を排出したり、抗炎症作用により膝の炎症を改善したりする効果が期待できます。

薬膳レシピ

黒ごま山芋クルミ粥

黒ごま、山芋、クルミは腎を補い、膝や腰を強める代表的な食材です。関節や骨を丈夫にする食材を組み合わせた簡単なレシピです。

  • 材料(2人分):山芋100g、黒ごま大さじ2、クルミ20g、米1/2合、水500ml、塩少々
  • 作り方:
    1. 米を洗って鍋に入れ、水を加えて弱火でコトコト煮る。
    2. 柔らかくなったら、すりおろした山芋、炒った黒ごま、砕いたクルミを加える。
    3. ひと煮立ちさせ、最後に塩で味を整える。

日常生活での養生法

  • 膝を冷やさないようにする(特に雨の日や冬場)。
  • 過度な負担を避けながら、適度な運動で気血の流れを促す。
  • 黒ごま、山芋、くるみなど腎を補う食材を日常に取り入れる。

まとめ

すぐ治るだろうと簡単に考えていた膝痛が、なんだか一生もののような気がしてきました(-“-)私の場合は、整形の先生からも言われたように「年齢のせい」。腎にいいものや血虚対策を今まで通りつづけて、酷使しない程度に血流をよくすることを心がけるしかないようですね…登山はあまり無理をしないよう気を付けます。

つらい痛みは西洋医学のほうがやはり効果が早い。でも中医学の視点を取り入れることで、自分の体質に合ったケアや養生が可能になります。皆さまも、西洋医学的な治療とあわせて、中医学の知恵を生活に活かしてみませんか~(^^)/

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