いや~、恐ろしいほどの暑さが続いていますね💦まさに地球沸騰中…今後どうなっていくのだろうと不安が募ります。
そんな中、飲水学というテーマの勉強会に参加しました。まさに今の季節にピッタリな話で、これはみんなに知ってもらいたい!ということで、今日は中医学と少しそれますが、地球沸騰時代に生き残る知恵「飲水学」について、復習がてらお伝えしますね~(^^♪
飲水学
飲水学というのは、「脱水にならないための正しい知識」のことで、横浜市東部病院の谷口秀喜先生が名付けられました。熱中症や脱水症は、死に至る病気の中で、唯一自分自身で予防できるもの。今後、暑くなることはあっても、夏の気温が下がることはない時代に、この予防が本当に大切だとお話しされていました。ではその飲水学の内容を詳しく解説していきますね。
熱中症と脱水
熱中症とは、以前のブログでお伝えししたとおり、暑い、湿度が高い環境で起こる体調不良のことで、脱水症と異常高体温によっておこります。体は体温が上がった時に汗を出すことで、体温を下げようとしますが、大量の汗が出ると、体に必要な水分や電解質(塩分など)が足りなくなり、それが進むと脱水症になります。脱水症になると、熱を逃す働きが弱くなり、さらに体温上昇を引き起こします。脱水症の影響を受けやすい臓器としては、脳・消化器(胃・腸)・筋肉が挙げられます。
脱水症の症状
脳に脱水症が起きると、「めまい」「立ち眩み」「集中力・記憶力の低下」「頭痛」「意識消失」「けいれん」など、消化器官では、「食欲低下」「悪心・嘔吐」「下痢」「便秘」など、筋肉では、「筋肉痛」「こむら返り」「しびれ」「麻痺」のような症状が出現します。各症状が重なって出現することもあります。
特に子供と高齢者は脱水症になりやすいので注意が必要です。
お子様が脱水になりやすい理由としては、①成長期は水分を多く必要としやすい②体重当たりの不感蒸泄(皮膚や呼吸から失われる水分)が多い③汗をかく機能や腎機能が未熟、などがあげられます。
また、高齢者は、①体液をためる機能を持つ筋肉が少ない②飲食量が減っている③のどの渇きや暑さに気が付きにくくなる、などがあげられます。
脱水症のサイン
- 原因不明の微熱
- 急激な体重減少
- 高齢者で、「疲労感」と「3度の食事以外の水分を取っていない」ことが重なっている場合
かんたん脱水症チェック
①手の甲の皮膚をつまんでみる→3秒以内に元に戻らなければ脱水の可能性あり
②親指の爪の先を押してみる→3秒以内に赤みが戻ってこなければ脱水の可能性あり
どちらも、普段の様子と比べることが大事です
必要な水分量「4-2-1」の法則
体重(kg)を0〜10.10〜20.20〜に分けて、必要な水分量を計算します
- 0〜10→4ml/kg/時
- 10〜20→2ml/kg/時
- 21〜 →1ml/kg/時
例:体重60Kgの場合
最初の10kg×4で 40ml/時
次の10kg×2で20ml/時
のこりは40kgで40ml/時
それらをすべて足すと100ml/時間ですので、1日量は2400ml
必要な水分の半分は食事からとれるので、水分補給としては1日1200ml必要です。
普段の水分摂取法
必要な水分量を、1日に8回に分けて摂りましょう。具体的には、起きた時、食事の時、食事の間、入浴の時、寝る前です。水以外に、お茶やコーヒーでも大丈夫。ただし、アルコールはNG、冷たい飲み物は胃腸機能が低下して食欲が落ちる原因になるので、できれば常温以上のものを摂りましょう。
脱水症の時の水分摂取法
まずは経口補水液を500mlすぐに飲みましょう。それで症状が改善したら、その後さらに500mlほどをちびちび飲んでいきましょう。自力で飲めない、もしくは意識レベルが低下しているような場合は、すぐに病院に搬送しましょう。
熱中症の可能性がある場合の対処法
この時期遭遇する可能性が高い熱中症になった場合の対処法をお伝えします。
①暑さを避ける
②体を冷やす
③水分補給する→この場合は経口補水液を飲むこと。スポーツドリンクは糖分が高いのでNG
熱中症の時に飲んではいけないもの
①アルコール
②アミノ酸飲料や牛乳→アミノ酸は体温を上昇させる作用があるため
③大量の水→体内のNa濃度が下がり、水中毒になる可能性があるため
④カフェインの入っているもの
経口補水液について
最後に、経口補水液について補足します。500mlにつき塩分は1.45g入っています。普段の水分補給としては、塩分が多いためおススメできませんが、食欲がなくきちんと食事を摂れていないときは、1食分1本の経口補水液を飲むのがよいとのこと。また、「体が脱水しているときは美味しく感じられる」と言われていましたが、今は味が改良されていて、脱水でなくてもおいしく感じられるそうです。お年寄りで、水を飲むとむせてしまう場合は、ゼリータイプがおすすめです。
まとめ
日本人は塩分を食事でしっかりとれているので、通常の場合は塩分タブレットは必要ないということもお話しされており、なるほどと思いました。また、スポーツドリンクは、普段飲むには糖分が高いので半分に薄める、原液は運動時などたくさん汗をかくときに限定するほうがいいそうです。水分補給にも、日常的、非日常的と使い分けが必要ですね。皆様もどうぞ、適切な水分摂取を行って、熱中症や脱水症から身を守りましょうね(^^)/