外湿と内湿

6月下旬になりましたが、天気が良くて暑い日が続いていますね。先日、80代の父が外でグランドゴルフをしているときに、一緒にプレーしていたお友達が倒れたとのこと。幸い大事には至らなかったそうですが、父には水分摂取や休憩、体調が悪い日はお休みするなどくれぐれも気を付けるよう伝えました。先週は私もゴルフをしていてうっかり熱中症になってしまったように、暑さに体が慣れていないこの時期は本当に危険な季節でもありますので、どうぞ皆さまお気を付けください。

さて、私が住んでいる地域では、いよいよ週末から梅雨入りだそうです。ジメジメとした天気が続くこの時期は、脾弱な私が最も苦手とする季節ですが、ひ弱でない方も、なんとなく身体の重さやだるさを感じたり、食欲がなくなったりしますね。今回は、去年もお伝えした梅雨の養生を、もう少し深堀して、梅雨時期に気を付けたいことお伝えしますね~(^^)/

湿邪

中医学では、湿気が多い時期の体調不良を「湿邪(しつじゃ)」が原因と考えます。湿邪は外から入ってくる「外湿(がいしつ)」と、体内から生じる「内湿(ないしつ)」に分かれます。外湿と内湿では症状が少し異なりますが、どちらも治りにくくズルズルと長引く性質があります。

湿邪の特徴

  • 脾の機能を低下させる
  • 重く濁る
  • 粘着して停滞する
  • 身体の下部に症状が出やすい

外湿

症状

湿邪が体に入ると、その重いという特徴から、頭や身体が重い、身体の動きが鈍くなる、といった症状が現れます。水分代謝が悪化して、身体のむくみが強く出ることがあります。
また、濁るという特徴から、皮膚のトラブル、特に分泌物が多くなりジュクジュクするという症状が出やすくなります。もともと皮膚疾患のある人は、特に悪化しやすいので注意が必要です。尿の濁り、残尿感、排尿痛など、尿のトラブルや、女性はおりものが多くなることがあります。できるだけ清潔を心がけましょう。舌に苔がたまりやすく、口の中がネバネバしているときは、体に湿が溜まったサインです。

対策

湿邪は、たまってしまう前に毎日すこしずつ取り除くことが大事です。利尿作用や発汗作用、香りの良い食材を選んで湿邪を発散し、身体にためないよう心がけましょう。

  • おススメの食材

緑茶、黒豆茶、コーヒー、生姜、ネギ、三つ葉、しそ、唐辛子、もやし、春雨、冬瓜

内湿

症状

中医学では、脾胃は、消化吸収の役割とともに、体内の水分代謝を調節する役割もあると考えます。水分代謝の機能が低下すると、外から入ってきた湿を取り除くことができず、脾胃の機能がさらに落ちて内湿が生じます。内湿によって出る症状は、主に脾胃に関連する症状になります。脾胃は四肢や筋肉と関わりが深いため、倦怠感、疲労感がでます。消化機能が落ちていることから、食欲が落ちやすく、下痢や軟便になりやすいです。顔色は黄色くつやがなくなったり、舌は腫れぼったい、ふちがギザギザしている(胖大舌)などが内湿が溜まっているサインです。

対策

弱った脾胃を回復させるよう補いながら、湿邪を取り除くことが大切です。消化の悪いもの、脂っこいものは控えめにして、食材はできるだけ火を通す、冷たいまま食べない、体を温める食材と合わせて食べることなどに気をつけましょう。

  • おススメの食材

脾胃を補う:いんげん豆、山芋、大豆、蓮の実
脾胃を温める:山椒、生姜、ニンニク、キムチ
湿を取り除く:ハト麦茶、とうもろこし、小豆

生活養生

  • 適度に身体を動かす

筋肉(とくに下半身の筋肉)が少ないと、筋肉がポンプのように働いて体内で水分や血流を循環させる力が落ちてしまうため、水滞(水毒)の原因になります。毎日の生活で階段を使ったり、一つ手前の駅で下車して歩くなど、できる範囲で身体を動かすようにしましょう。

  • 体を冷やさない

冷えがあると胃腸の働きが低下して「脾」に「水」が滞ってしまいますので、身体を冷やしすぎないように気を付けましょう。また、暑くてもシャワーで済まさず、お風呂につかることも大事です。

  • 消化のいいものを食べる

この時期は特に暴飲暴食を避け、消化のいいものを食べましょう。また、冷たい飲食物は直接胃腸を冷やします。アイスはもちろん、冷蔵庫から出したばかりのお茶やジュースに気を付けて、できるだけ常温のものを摂りましう。

まとめ

梅雨時といえば梅しごと。毎年、梅酒と梅干を仕込んでいたのですが、塩分やアルコールをひかえていることで、去年作ったものがそのまま残ってるので、今年は作らないことにしました。でも、あのいい香りも、湿邪対策には有効なんでしょうね。梅シロップだけでも作ろうかなと考えています。皆様も1か月ほど続くじめじめの季節、体の巡りを良くしながらお過ごしくださいね~(^^)/

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