春のメンタル不調

のんびり日記

最近、怖い事件が続いていますね。10代のが高齢者を殺害、小学校に男が乱入、電車で大学生を切りつける。少し前は裸の男がタクシーを乗っ取ったり塾に乱入したりして大暴れ…そして、私自身も、先日、患者さんから覚えのないことでものすごい勢いでブチ切れられ、怒鳴り散らされました。いつもはとても穏やかと思っていた患者さんの変貌ぶりに、びっくりするやらあきれるやら(-“-)

漢方薬局に勤めていたころ、この時期によく話題になっていたのは、「春は変質者や不審者の出没が増加する」ということ。怒りっぽい方や挙動不審な方、いわゆる変な患者さんの来局が春はいつもより多かったように思います。また、この時期は精神的な疲れを感じる、いわゆる5月病の方も多かったように思います。今回は、この時期特有のメンタルの不調について中医学の面から考えてみましょう。

春に変なひとが増える原因

  • 気温の上昇による活動量の増加

春になると、平均気温が上昇し、変質者を含む多くの人にとって外出しやすくなります。また気温の上昇により、薄着になることで、変質者の視線を引きやすくなるということがあります。

  • 環境の変化とストレス

春は入学や引っ越しなど、環境が変わる人も多いですが、これに伴うストレスが変な行動の原因になることがあります。
また、学生は新年度が始まると、クラスや部活などでの人間関係、新しい科目など、新しい環境での緊張や不安、あるいは期待感がストレスとなり、時として不適切な形で発散されることがあります。

  • 季節性感情障害からの回復期

季節性感情障害(SAD)は、秋から冬にかけてうつ症状が現れ、春先の3月ごろになるとよくなるというパターンを繰り返す精神疾患です。春になると急激に気分が高揚することがあり、時として過剰な行動や判断力の低下をもたらすことがあります。

中医学から見たメンタル不調の原因

春は、植物は上に芽を伸ばしていきます。それと同じように、人はからだの中にある気を上に昇らせます。気が上がると、のぼせ・片頭痛など頭部に関わるトラブルが多くなってきます。
また、先ほども言ったように、春は入学や引っ越しなど新しいことが始まる季節で、慣れるまでは、いろいろとストレスを感じることも多いです。イライラを感じやすくなったり、不安などで気持ちが下がり情緒が不安定になったり、このような状態に陥りやすいのも春の気の流れが関係すると考えられています。

五月病

また、五月病もメンタルの不調と言えます。五月病とは、5月の連休後に「やる気がでない」「疲れがずっと抜けない」など、なんとなく感じる心身の不調のことをいいます。五月病は医学的な病名ではありませんが、ひどくなると会社や学校に行けなくなったり、うつ病になったりすることもあるので、不調がひどくなる前に対処することが大切です。

五月病はストレスが原因で起こると考えられています。生活環境が変わった最初のうちは気を張っているため、特に何も感じないのですが、5月の連休でほっとして気がゆるむと、心や体に影響が出てしまいます。

五月病の症状

  • 家族についイライラしてしまう
  • 漠然と不安を感じる、動悸がする
  • 疲れがとれない、食欲がない
  • 寝つきが悪い
  • 頭痛や肩こりがひどい
  • やる気がでない、仕事や家事でケアレスミスが多い
  • 家に引きこもりがちになったり、会社に行きたくないと感じる

中医学的に見た五月病

五月病の症状は、中医学では「肝気鬱結(かんきうっけつ)」と考えます。「肝」は血液を貯蔵する働きと精神を支配する働きを持っています。「気」は人間の体の中を流れるエネルギーです。肝が、ストレスなどの精神的ダメージを受けると、気の巡りが悪く滞った状態=「肝気鬱結」になります。その状態が続くと、脾胃の運化機能を低下させ、痰湿(余分な水分)を生じ、胸の閉塞感やつかえが表れることがあります。また、脾気が失調し、気血不足が起こりやすくなるため、心や肝に影響が及び、精神的な症状が悪化します。

五月病を改善するケア

五月病の改善には、日常のストレスをこまめに解消し、気持ちをリラックスさせて、気の巡りをスムーズに保つことを心がけましょう。また、気血が不足している人は、胃腸を元気にしてしっかり栄養を取ることも大切です。

まとめ

SADは日本人の2~3%くらいが罹患しているとのこと。冒頭の患者さんも、今考えるとこの影響があるのかもしれません。ただ、自分自身はこういうことで周りの信頼や人間関係を壊したくないので、春の過ごし方をより一層気を付けたいなと感じました。また、旅行が終わってなかなか疲れが抜けないと思っているのも、もしかしたら五月病なのかもしれませんね。確かに、四月は旅行に向けて気が張り詰めていました💦柑橘系の香りや酸っぱい食べ物などで、気の巡りをよくして、のんびり五月病が過ぎ去るのを待つようにします。皆様も、「肝」の負荷に気を付けて、この時期お過ごしくださいね~(^^)/

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