気象病に五苓散

季節の養生

昨日の夜から大荒れの天気になっていて、気温が急降下しています。春は寒暖差が大きく、それだけでも体調を崩しやすいですが、この気圧の変化もなかなか厄介です。職場に実習に来ている大学生が、昨日は体調不良で早退しました。どうやら低気圧が原因でめまいを起こした様子。今回はこの時期気を付けたい「気象病」について、中医学の観点からお伝えしたいと思います。

気象病

「気象病」とは、気圧の変化で起こる体調不良のことで、具体的な症状には、めまい・吐き気・頭痛・肩こり・全身倦怠感・関節痛・手足のしびれ・冷え・動悸(どうき)などがあります。気圧や温度、湿度の急激な変化が起こると、耳の奥にある「内耳」がその変化を察知し脳から自律神経を経由して、体を変化に対応させます。もともとストレスや疲れで自律神経に負荷がかかっている状態だと、その変化に対応するのが難しくなり、体に様々な影響がでる、というのが気象病のメカニズムです。気象の影響を受け取りやすい内耳、ということも大きいですが、やはり疲れやストレスが溜まっている状態は要注意です。

中医学から見た気象病

気象病は、中医学では『水毒』=湿気の影響で体に水分が溜まりやすくなっていると考えます。水毒は、身体の中に原因がある場合身体の外から影響を受ける場合とがあります。

  • 身体の中の原因

摂取した水分や食事は胃腸で消化・吸収されることで、全身に分布します。胃腸に負担がかかると、消化・吸収が正常に働かず停滞し、水毒が発生します。

  • 体の外の原因

水毒は気候の変動によって生じやすく、湿度が高くなると身体に取り込む水分量も多くなります。また、気圧変動により水分代謝が悪くなるため、身体の中にも水分がたまりやすくなります。

気象病に有効なのが「五苓散(ごれいさん)です。

五苓散

気圧病にも汎用される漢方薬で、身体の水分循環を改善する代表的な薬です。タクシャ、チョレイ・ブクリョウ・ビャクジュツの4つの生薬が水毒をめぐらし、桂皮が身体を温め、さらに水毒をめぐらせるのを後押します。余分な水分を身体から排出するだけでなく、身体全体での水分のバランスの偏りを整えてくれます。身体のむくみや、身体の水分の異常によって生じる様々な症状に効果が期待できます。この薬のいいところは、脱水状態では利尿作用は無く、水分は多い状態でのみ利尿作用が働き尿量が増えるところです。水毒が原因の、めまいや頭痛、耳鳴りや耳詰まりなど耳の不調、むくみの改善、さらには二日酔いの改善や夏バテ・熱中症の改善にも効果があります。

気象病の時の食生活養生

  • 利水作用のある食材をとる

きゅうりやすいかなどのウリ科の野菜は利水作用があり、余分な水分を排泄する効果が期待できます。ただし、体を冷やす働きもあるので、食べ過ぎには注意。体を温める作用を持つお酢や生姜を一緒に摂ると良いです。緑豆春雨や小豆、インゲン豆、トウモロコシのひげやハト麦などもおすすめです。

  • 汗をかく

適度な運動で汗をかくことは、水分代謝を促進するのに効果的です。2ジョギング・ウォーキング、全身の筋力アップを促すトレーニングなどがおすすめ。また、夜はシャワーではなく湯船に浸かりましょう。

  • 体を冷やさない

冷えると体が水分を抱えてむくみやすくなってしまいます。冷たい食べ物や飲物も控えるようにしましょう。

まとめ

実習に来ている大学生には、早速、体の余分な水分を排出する五苓散を飲むこと、そして、冷たい飲み物は控えめにしてハト麦茶をお勧めしてみました。また、実習の疲れがたまってくる頃ですので、ストレス発散に気をつけること、時間があるときに気分転換もかねてランニングや散歩などで体を動かすことなどをアドバイスしました。気象病は中医学の得意分野です。症状がひどくなってしまう前に、食事や生活養生で切り抜けていきましょ(^^)/

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