先日テレビを見ていたら、「生姜と唐辛子、どちらが体を温める力が強いか?」という番組をやっていました。これはおもしろいと思ったのですが、何せ朝だったので忙しくてちゃんと見ることができず、どういう話の流れになったのかさっぱりわかりませんでした^^;そこで、今回は、寒い季節にピッタリのこのテーマについて、自分なりに結論を導きたいと思いまーす(^^♪
生姜
主な有効成分と効用
- シネオール
香り成分です。食欲増進の働きや、健胃・解毒・消炎作用があります。
- ジンゲロール・
辛み成分です。殺菌作用があります。ガン細胞の増殖を抑制する作用や発ガン物質が引き起こす遺伝子の突然変異を抑制する作用などもあると言われています。
- ショウガオール
ジンゲロールという成分が加熱する事でショウガオールに変化します。血行を促進する作用や、体を温める働きがあるほか、新陳代謝を活発にし、発汗作用を高める働きがあります。
薬膳から見た「ショウガ」
中医学では、新鮮な、生のショウガのことを「生姜(しょうきょう)」、乾燥させたショウガを「乾姜(かんきょう)」と言います。で日本でいう「生姜」「乾姜」は別のものを指しますが、ここではややこしいので中医学に基づいてお話しします。
【生姜】
性味:辛、微温
【乾姜】
性味:大辛、大熱
性味とは、以前ご紹介した五性・五味のことです。
五性:「温、熱、涼、寒、平」に分けられ、「体を温める、冷やす」という性質を表します。
五味:「酸、苦、甘、辛、鹹(かん・塩辛さ)」に分けられ、味や作用を表します。
生姜には、発汗解表や止嘔・解毒作用に優れていて、病邪(寒気や悪寒など)を発散させる働きがあります。
それに対して乾姜は温中散寒・化痰の力があり、冷えを体の中からじんわり温める力があります。特にお腹を温める働きにすぐれています。
生姜も乾姜も性質は温める性質ですが、乾姜のほうがさらに熱が強い性質になります。
生姜は、寒い日に外から帰ってきたときや風邪の引きはじめがおすすめのタイミングです。身体を即座に温め、発汗を促す作用が期待できます。
乾姜は身体をじんわりと温め持続時間も長いため、冷え改善におススメです。なかなか売っていないのですが、しょうがを煮込めば同じ効果を得られるそうです。煮込み料理やスープにしょうがを入れるといいです。
ショウガの注意点
もともと暑がりの体質の方や、火照りやイライラ感が気になる方など、身体に熱がある場合は向いていません。また、皮膚にできものができているようなときも控えましょう。
唐辛子
主な有効成分と効用
- カプサイシン
辛味成分です。唾液の分泌とアミラーゼの活性を増加し、食欲増進や血行促進、発汗作用などがあります。殺菌作用もあり、防虫剤としても使われてきました。熱に強いため、調理の際に加熱しても損なわれにくいという性質があります。
- βカロテン、ビタミンC、ビタミンE
抗酸化作用や疲労回復などの効果がある栄養素で、特にビタミンEは生活習慣病の予防や、美肌効果も期待できます。
薬膳から見た「唐辛子」
唐辛子は、生薬では「辣椒(らつしょう)」と呼ばれています。
【唐辛子】
性味:辛、熱
唐辛子は「辛味」に当たり、「肺を養う」といわれていて、呼吸や全身の水分を調節する役割を果たすとされます。また「熱性」なので、身体を温めて血行を促進させる効能もあるため、風邪、冷え性、疼痛などに効果があると考えられています。
唐辛子の注意点
刺激作用があり、食べ過ぎると胃が荒れます。ひどくなると食欲不振、更には腹痛や吐き気、下痢が起こることがあります。もともと胃の弱い方は食べ過ぎに特に注意しましょう。また、痔がある場合は、唐辛子の成分の刺激で症状が悪化するため控えめにしましょう。
生姜と唐辛子、どっちが温める?
さて、ここからが本番です。ショウガも唐辛子も、どちらも体を温めることがわかりましたが、どちらの作用のほうが強いのか。
唐辛子を食べると体が温まるのは、辛味成分「カプサイシン」の働きのおかげですが、この作用は一時的なものと言われています。食べて10分ほどで、体温は下がってきます。また発汗作用により、体温が下がるので、冷え性には逆効果。唐辛子は、どちらかといえば体を冷やしたい夏に食べるのがおすすめです。
ショウガについては、「ショウガオール」がじんわり長時間体を温めるので、冷え性におススメです。でもこれは、スーパーで売っている生のショウガには入っていない成分です。体を温めたいなら、先ほども言ったように、煮込み料理やスープに入れて、コトコト煮ましょう。
まとめ
唐辛子は、体を温めるイメージがありましたが、汗をしっかりかくことや食欲増進作用があることから、やっぱり暑い季節におすすめなんですね~確かに唐辛子の旬は夏。薬膳の基本は旬の食材をいただくことなので納得です^^汗に気を付ければ、もちろん冬でも大丈夫です!
そしてショウガ。生と乾燥したものの違いをよく理解して使うことが大事ですね~寒がりの私は、しっかり煮込んでいただきたいと思います♡
皆様も、一年で一番寒~い今の季節を、体を温める食材を上手に使って乗り切っていきましょうね~(^^)/
いつも楽しく拝読してます!
私は生姜だとあまり汗をかく感じがなくカプサイシンで汗をかきやすいイメージがあったので生姜だと温まらないなぁと思っていましたが、そういう事だったのですね。
煮込みやスープに生姜を使って寒波に負けないようにしたいです!
いつもご覧いただきありがとうございます(^^♪
カプサイシンの発汗効果はとても強いので、食べるとすぐダラダラしてきますよね^^;
発汗後の冷えにはお気を付けくださいね
体質にもよるかと思いますが、煮込んだショウガ、ぜひ日々の暮らしに役立ててくださいね❣
読んでいくにつれてついつい引き込まれてしまいました(^^)
生姜も唐辛子も本当は苦手なんですけど、健康のため食事に取り入れていこうと思いました。
健康な身体を維持するために色んなことを教えて下さいね。
冬山の体温低下に欠かせない漢方あればまた紹介して下さい(^^)
楽しみにしてます!
ご覧いただきありがとうございます。そして心温まるコメントありがとうございました!とっても嬉しいです♪
生姜も唐辛子も苦手なんですね。私も唐辛子は、胃に刺激があり、あまり食べられません^^;
大事なのは体質に合わせること、と思います。
冷え性なら煮込んだショウガはとってもおすすめですが、反対にほてりが気になる方は摂りすぎに注意。
どうぞ、上手に取り入れてみてくださいませ。
リクエストも勉強してお伝えするようにしますね。
まだまだ未熟ですが、どうぞこれからもよろしくお願いします(^^)/